第6話


 2人の笑顔は穏やかに見えるが何故か少し背筋がゾクッとした。


 私がゾクッとしたのが分かったのか、お母様とお父様は今度はちゃんと穏やかな優しい笑顔を見せてくれた。


『セシリー、もう少し寝てもいいのよ?』


「ううん、おかあさまとおとうさまとお話ししたいから、おきてる!」


 私はお母様とお父様ともっと話したかった。昨日は眠くて寝てしまったが、今日はもう眠気も吹っ飛んでいる。


『あらあら、じゃあ何から話そうかしらね〜』


 お母様が、首を傾げて悩んでいる。すると、お父様が言った。


『シア、まずはセシリー自身のことを教えたらどうだい?』


 お父様が話し始めたのでそちらの方を見る。


 改めてお父様を見ると、真っ暗だった昨日とは違いハッキリと見える。


 お父様はキラキラと輝くプラチナブロンドの髪に瞳は不思議な色合いをしている。緑から青に変わっていくグラデーションになっていて、お父様の目を見ていると緑にも見えるし、青にも見える。


 綺麗でずっと見ていられる。


 じっと見ていたのが分かったのか、お父様は私の顔を見てニッコリ笑うとお父様のお膝に抱っこされた。


『セシリー、どうした?』


「おとうさまのおめめ、きれい!」


『ふふっ、セシリーお母様は?』


「おかあさまもきれい!」


 私のお母様は銀髪に緑の瞳。それに、お父様に負けないくらいに美しい美貌を持つ。


『ありがとう、セシリー』


『セシリーも、シアにそっくりだからきっと将来は美人さんだな!』


『あら? それを言うならセシリーは貴方の色そのままじゃない』


「??」


 お母様はそう言うけど私は金髪にお母様と同じ緑の瞳だ。


「おかあさま、わたしはちがうよ?」


『今からそのことについてお話しするわね』


『その前に見たほうが早いだろう』


 そう言うとお父様は、私の頭を一回撫でた。


 撫でられた瞬間ふわっと暖かい風が私のことを包んだ様な気がした。


『さて、鏡を見てみよう』


 お父様は部屋の中にある鏡の前まで抱っこして連れて行ってくれた。


 鏡の中に映っていたのは、お父様と抱っこされる私が映っている。しかし、明らかに変化があった。私の髪の色と瞳の色がお父様と同じになっていた。


「わたし、おとうさまと同じ色?」


『ふふっ、そうよ。セシリーの元々の姿はその姿よ』


 私はまじまじと自分のことを見る。今まで見慣れていた金髪からお父様と同じキラキラと輝くプラチナブロンド。緑の瞳も青が入りグラデーションになっていて綺麗だと思ったお父様と同じ。


 今までの緑の瞳もお母様と同じで好きだったけど、お父様の綺麗な瞳になれて嬉しい。


「おとうさまのきれいなおめめといっしょ!」


『セシリーは可愛いな〜』


 お父様はもうニッコニコだった。


「でも、なんでいままではちがういろだったの?」


『それはね、セシリー、貴方は精霊の血を引いているからよ』


 私が精霊の血を引いている??




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