第39話、ノーーーーーーーーーーーーーー剣
「ウノ兄~」
消えた兄に嘆く弟……つい先程も全く同じ光景を見せられた気がする。
クアトロ兄弟もといクアトロブラザーズもついに残りは一人。謎のスライド制度によって三男トレスから次男ドスに昇格し、今や長男ウノになったと思わしき怪物だけだ。
「よくもウノ兄を……手が臭いこと以外は良い兄貴だったのに!」
「一人になったことで鬱陶しいコーラスがなくなってスッキリしたな」
「しかしこうなった以上は仕方ないな! 我が名はウノ!」
「………………」
「我、クアトロブラザー!」
単数形になった怪物を見て溜息を一つ。何だかドッと疲れたし、今日のところはコイツを始末してさっさと冥府からオサラバするとしよう。
「出でよ四十七剣! 今宵選ばれし剣は、三人目のウノを葬る剣だ!」
詠唱によって生じた暗黒空間に『ノ』という言霊が吸い込まれる。
闇から生まれ掌に収まった武器は、立ちあがった豚のような武骨な形の物体。剣というより鈍器に近い四十七剣は、その名の宣言と共に振り下ろされた。
「
「長野県は日本の中部地方に位置する県。県庁所在地は長野市。第18回冬季オリンピックの開催地でもあり、令制国名の信濃国にちなみ「信州」とも呼ばれている。日本の都道府県では、北海道、岩手県、福島県に次いで4位の面積を持っており、隣接都道府県数8は47都道府県で最多。その一方で日本アルプスを始め大規模な山岳地があるため可住地面積率は低く、村の数は37、千人未満も4村と全国最多、一万人未満の町村数も43と全国2番目に多い。レタス、セルリー、はくさい、アスパラガスといった野菜や、カーネーション、トルコギキョウ、アルストロメリアといった花きの生産量は全国一。全国で唯一、県歌のある県であり、県の木は白樺。県の花はリンドウ。県の鳥は雷鳥。県歌は信濃の国いいいいい!」
三人の中では最も長い断末魔を叫びながら、三男の身体は消滅する。
静かになった紫色をした空の下で、余は大きく息を吐いた後で呟くのだった。
「やはりこうも連発すると断末魔の精度が下がるな。まだまだ強くならねば」
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