第38話、タタタタタタタタタタタタタタタ剣
「ウノ兄~」
「「ウノ兄~」」
冥府に現れた怪物、クアトロ兄弟の長男と思わしき一人目は倒した。
しかし通常であれば何人いようと一撃で倒せる四十七剣。この冥府の敵は勇者共と違ってそれなりに手応えのある奴らのようだ。
「よくもウノ兄を」
「やってくれた」
「「な!」」
「足が臭いこと以外は」
「良い兄貴だったの」
「「に!」」
「しかしこうなった以上は」
「仕方ない」
「「な!」」
「いちいち鬱陶しい奴らだな」
「ナンバリング」
「チェーン」
「「ジ!」」
「我が名はウノ!」
「我が名はドス!」
「「我ら、クアトロブラザーズ!」」
「………………」
先程までドスと言っていた奴がウノを名乗り出し、トレスと言っていた奴がドスを名乗り出した。スライド式の兄弟とか冥府の感性はわからんな。
「出でよ四十七剣! 今宵選ばれし剣は、北斗の血を引きしタの剣だ!」
詠唱によって生じた暗黒空間に『タ』という言霊が吸い込まれる。
闇から生まれ掌に収まった武器は、小さな象のような武骨な形の物体。剣というよりツルハシに近い四十七剣は、その名の宣言と共に振り下ろされた。
「
「大分県は日本の九州地方に位置する県。県庁所在地は大分市。全国的に知名度が高い別府温泉や由布院温泉をはじめとする多くの温泉を有し、源泉数、湧出量ともに日本一。干し椎茸及びかぼすの生産量も日本一であり、自然エネルギー自給率は全国の都道府県で最も高い。県の木は豊後梅。県の花は豊後梅。県の鳥はめじろおおおおお!」
先程聞いた声と同じ声が断末魔を叫びながら、末っ子を守った次男の身体は消滅する。
静かになった紫色をした空の下で、余は大きく息を吐いた後で呟くのだった。
「今度は貴様がウノになるのか?」
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