第30話、43
「怪しい飛来物かと思えば『死を超越した者』こと死超者デスか。普段は世界を遠目から眺めるだけの存在が、空の散歩なんて珍しいデスね。というか飛べたなんて初耳デス」
「は? 飛んでいる訳じゃなく、恰好つけて吹っ飛ばされているだけ? 一体何が面白くてそんなことをやっているのか、死超者の考えることは意味不明デス」
「助けてほしい? まっぴら御免デス。お前らは魂も奪えないし、死神からすれば縁もゆかりもない存在デス。一体どこから飛んできたのか大して興味もないデスが、そのまま世界の果てまで飛んでいくと良いデス」
「魔王城から? マオーの奴は不在の筈デスが……?」
「成程。マオーの手下に召喚された挙句、用済みだとわかるやいなや吹き飛ばされたと。それはまた随分と間抜けな話デスね。マオーへの土産話にはピッタリデス」
「ん? マオーの居場所くらい知っていて当然……というよりも、まさに今目指している先がマオーのいる場所デスが、それがどうかしたのデスか?」
「マオーと話がしたい? 一度くらいは当ててみせたいだの、あのワンパターンが良かっただの、まだ半分以上残ってるだの、一体何を力説してるんデスか?」
「話したいなら好きに話せばいいデス。こうして並走しながら律儀に話を聞いてやってるのは、単にヨミの目的地がお前の進行方向と同じだからデス」
「マオーと会って何をするつもりか知らないデスが、用事が済んだらさっさと元の世界に戻ることデスね。全く、死超者の考えることは何一つわからないデス」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます