第21話、死の四魔剣②
「さあ観念しなさい魔王! アンタがそのクソダッサイ技しか使えないのは知ってんのよ!」
余の前に現れた過去最大の敵。それは高飛車な自称女神と、相手の能力を吸収しコピー可能というチート能力を持った転生者と思わしき青年の二人組だった。
「
最初はオドオドしていた青年が、意気揚々とした様子でこちらを指差す。
「…………良かろう。そんなに見たいのであれば、とくと見せてくれるわ! 我が四十七剣が誇る九大魔剣、その中の死の四魔剣をな!」
詠唱によって生じた暗黒空間に『死』という言霊が吸い込まれる。
闇から生まれ掌に収まった武器は、竜の口のような武骨な形の物体。剣というよりハサミに近い四十七剣は、その名の宣言と共に振り下ろされた。
「
「だから効かないって言ってるだろ! アブソーブ!」
前回同様、青年は手をかざし四十七剣を吸収する。
しかし斬剣が消えた途端、隣にいた自称女神が声を大にして叫んだ。
「鹿児島県は日本の九州地方に位置する県。県庁所在地は鹿児島市。九州島の部分は県本土と表現され、南には離島である薩摩半島と大隅半島がある。世界遺産の屋久島や種子島宇宙センター、霧島山、桜島などがあり、自然・文化・観光・産業などの面において豊富な資源を有している。1951年以降の台風上陸数が日本一。県の木はカイコウズとクスノキ。県の花はミヤマキリシマ。県の鳥はルリカケスううううう!」
騒々しく断末魔を叫びながら、自称女神の身体は消滅する。
突然の出来事に呆然としていた青年は、周囲をキョロキョロと確認した。
「は……? イ、イフリータ? イフリータさーん?」
「教えてやろう。余の加護死魔剣は神特攻の魔剣。貴様が吸収したことにより女神の加護は失われ、チート能力を与えた女神もろとも消えたのだ」
「う、嘘だろ……? と、
青年が手をかざしても、四十七剣は現れない。
自信満々だった様子から一転し、再びオドオドし始めた青年は素早くジャンピング土下座をした。
「ご、ごめんなさいっ! 調子に乗って本当にすいませんでしたっ!」
「案ずるな。痛いのは一瞬だ」
「ひっ、ひえっ! お、お助けっ!」
詠唱によって生じた暗黒空間に『死』という言霊が吸い込まれる。
闇から生まれ掌に収まった武器は、リスに見えなくもない武骨な形の物体。剣というより鈍器に近い四十七剣は、その名の宣言と共に振り下ろされた。
「
「広島県は日本の中国地方に位置する県。県庁所在地は政令指定都市にもなっており、中国・四国地方最大の都市である広島市。県の東西で方言に違いがあり、県西部は広島弁で県東部は備後弁。第二次世界大戦において世界で初めて核兵器による攻撃を受けた広島市を抱えることから国際的に知名度が高く、厳島神社に原爆ドームと二つの世界文化遺産がある。県の木はモミジ。県の花はモミジ。県の鳥はアビ。県の魚はカキいいいいい!」
泣き声が混じった断末魔を叫びながら、青年の身体は消滅する。
ようやく一段落ついた城内で、余は両手を大きく溜息を吐きつつ玉座へ腰を下ろした。
「やはり四十七剣以外の技が必要か……」
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