第36話 自信作ね!
装備作りで工房に絶賛引きこもり中の所へ、モッチさんがたまに遊びに来る。
解呪に取り組んで以来、呪いと魔術を深掘りして研究しているの!
呪いは古典的だけど、魔術にも通じていて特に魔法陣の原理は色々参考になる。
今、1番ハマっているのが魔法陣の研究!!
しっかりとした理論に基づけば改良や改造が出来そうな所まで研究が進んでいた。
やっぱりモッチさんの発想力は凄い!!
ただし、魔法陣をいじる事は一歩間違えると大変危険な事になってしまう。大爆発とかしないよう慎重に行わないとね。
「ヒルは血を動力源にしていたのね」
「魔法陣を起動させるのは魔力が必須ですね」
モッチさんはトロッコと呼ばれる鉱石運搬用の台車を開発中。レールの上を自動で走って行くトロッコを目指して魔法陣を考案した。全自動運搬システムね!!
私は対空防御システムを考案した。いくら村の防御壁を強固にしても上空から攻撃されたら意味がないからね。
建設中のガガンゴ要塞に移動した。
まずは全自動運搬システムの検証をする。
試験用に設置した実物大の線路とトロッコが出来上がっていた。トロッコには大きめのカンテラが付いている。これには2つの役目がある。
1つは暗い坑道を照らす照明の役目。もう1つはトロッコを動かす動力源としての役目。
『狐火』の魔力を動力源に使うの!
『狐火』を動力源として使うと少しずつ火が小さくなり、最終的には消えてしまう事が分かっている。だから、1つの『狐火』で無限にトロッコを動かせる訳ではない。
「重い鉱石を乗せても1週間位は動き続けそうね」
「火が小さくなっていくので動力切れは見て分かります。突然ストップするって事は無いですね」
全自動運搬システムはこれで良さそうね!
次は対空防御システム!!
ガガンゴ要塞の山頂付近に司令部が完成している。
東西南北の方向に4本の通路を建設している。南のエグゼ王国方面の通路はほぼ完成している。
「対空防御システムは地上の対地防御システムと連動が可能ですが、今は試験運用なのでここまでにしてます」
最高の自信作なの!!
「システムが発動しない事を祈りたくなるわ……」
モッチさんは嫌な物を見る様にシステムを見つめた。
お隣りの『ジン国』と『エルレール国』には対空防御システムの事を伝えたそうなので、空から来るのはエグゼ王国だけ。
コレは私史上、最高傑作なの!!
コレの優秀さは必ず証明される!!
グフフ! 早く誰か来ないかな??
『 コン!コン!コン! 第1次防衛線に侵犯者有り 』
キツネの鳴き声と共に私の声が司令部に鳴り響く!
キターーーーーーーー!!!!!!!!
『 緊急警報発令! 総員通路から退避せよ!』
作業中のドワーフさん達が慌ただしく動いて退避した。
「「「 進路クリア! 」」」
『 初号機発進許可! 』
『 初号機 出ます!! 』
見せてやろう!
圧倒的な性能差という物を!!!
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