第34話 のんびりね!

掘ったら作るの生活がしばらく続いた。トンネル工事が始まったみたいで頻繁に土砂、石材を積んだ荷馬車が行き来している。石材を切る道具も頼まれたので作っておいた。


 ガガンゴ鉱山村も強固な外壁を建設中だ。


 魔鉄インゴットを使ったピッケルをドワーフさん達に配り終えた。サスティナさんに育成の尾を2本付けてあるから魔鉄インゴットの錬成をする日も近いはず。今は鉄のインゴットまでしか出来ないね。

 サスティナさんに錬成してもらった高純度・鉄インゴットで装備品を作る。


 アイアンソード  +10  品質  極上

            付与  攻撃力アップ


「これからこの武器レベルが『フォックステール』の標準装備になります。無料で配る事にしました」


「これが無料ですか!!」


 弟くんには店で売れるレベルの物じゃないと言われてしまった。あまりに凄すぎるみたい。


 工房にギルド『フォックステール』幹部を集めて完成品のアイアンソードを見せた。


「幹部用は魔鉄鉱石を使った物にしますが、もう少し待って下さい。待たせる代わりに個々の要望を取り入れたオーダーメイド品にしますので」


「「あ、ありがとうございます!!」」


 もう少し時間がありそうなのでじっくりと打ち合わせをして良い物に仕上げるつもり。


「お姉ちゃん、『ジン国』から糸と布が届いているよ」


「あ! そうだった! 戦闘服も作らないと……服はサイズもあるしメンバー全員分オーダーメイドね」


「じゃあ、メンバーさんの要望を取りまとめて提出するね」


 これは忙しくなってきたよ〜〜 ドワーフさん達の採掘服も作らないといけないしね!

 

「でも……皮の良い物がまだ無いから最高の物にはならないなぁ……」


「ドワンゴ国は強い魔獣系のモンスターが少ないからね。北の『エルレール国』は沢山いるらしいよ」


 『エルレール国』は深い森に包まれたエルフの国。その森には多くの魔獣系モンスターが棲息している。

 高い山に囲まれたドワンゴ国に森は少ない。ゴブリン等の魔人系モンスターがいるくらいだ。


 羊や牛の皮だと普通の装備だよ。無いものはしょうがないから現状で出来るだけ良い物を作るしかないね!


 『フォックステール』のメンバー達はドンガさんが発注したクエストを中心に消化している。


『 ドワンゴ国の国境警備とモンスターの駆除 』


 ゴブリン、オーク等のモンスターが国境を超えて入ってくるので駆除を請け負っている。

 ほとんどのドワーフ族は鉱山の要塞化に従事しているから、モンスター駆除は冒険者頼みだ。


 『フォックステール』のみんなは大活躍だよ!!

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