第16話 4人の心境

「真裕ちゃん、話があるんだ」



デートの日、智耶さんと私は津盛家で会っていた。



「話?何?」


「俺の事…どう思ってるの?真裕ちゃんにとって俺は…友達以上無理なのかな?良い加減、真裕ちゃんの気持ち教えてくれないか?」


「それは…」



すぐに答えられなかった。



「真裕ちゃん…?」







● 愛澤家



「晴輝君、話があるの」

「何ですか?」

「私の事…好き?」

「えっ?それは…好きですけど…どうしたんですか?」

「好きなら私の事抱いてくれても…」


「えっ?夏奈さん?」




夏奈さんは、俺に抱きつきキスをした。



「ちょ、夏奈さん」




そういう俺に再びキスをすると深いキスをされ、押し倒された。



「夏奈さんっ!待って下さいっ!」



夏奈さんは、洋服を脱ぎ始め俺の洋服を脱がし始める。




「夏奈さんっ!話があるんでしょう!?」

「そんなの後からでも良いわ!」

「後からでもって…」




● 津盛家



「智耶さん…私…」

「うん」

「智耶さんの事、恋愛対象になりません…ごめんなさい…」


「…やっぱり…そうか…」

「私…何度も好きになろうって思ったし、なれるだろうって思ってた…だけど…無理なん……」




キスをされ、深いキスをされ押し倒され押さえつけられた。




「ちょ、ちょっと智耶さんっ!辞め…私達は…」


「早く言ってくれれば良かったのにな…ずっと待ってたけど何も変わらないし…」


「…智耶さん…」



そう言う私に再びキスをし、首スジに唇が這う。



「やだ…辞めてっ!智耶さんっ!」



「どうしてだよ!真裕ちゃんっ!」


「…ごめんなさい…私…智耶さんの事…傷付けてしまって…」


「真裕ちゃん…」


「だけど…正直…智耶さんの事…信じられません…」


「えっ!?」


「私に告白しておきながら、お姉ちゃんとキスして関係持った素振りを目の当たりにした私は…正直、智耶さんを疑うよっ!」


「えっ?」


「まさかと思ったけど…」

「真裕ちゃん…」


「それに、私…晴輝が気になるから…好きとか分からないけど…アイツといる方が良い…だから…ごめんなさいっ!」




私は津盛家を飛び出した。





● 愛澤家


「後からでもって…何だよ…それ…」

「晴輝…君…」



俺は夏奈さんをゆっくりと押し退けた。



「ごめん…夏奈さん…俺…無理だわ…夏奈さんの事…マジだったんだけど…付き合っていく自信ありません。第一、兄貴とより戻ってもおかしくない行動取ってんの知ってるし…」


「えっ?ちょっと…待って!私達は何も…」



「キスしといて?体の関係もあったんだろ?酔っ払って元恋人同士に火がついたってやつ?成り行きHってありだもんな?」


「…晴輝君…」


「アイツから聞いてなければ何も知らないまま…俺は夏奈さんとは付き合ってたかもしれません…だけど…より戻っても不安ばっかだったし…アイツと…真裕といる方がありのままでいられる」



「……………」



「片想いの時…辛い毎日だったけど…今は夏奈さんといるよりもアイツといられない方が…辛い気がします…それに…夏奈さん…ありのままの俺でいる方を好きになったんじゃないですか?」



「えっ!?」



「アイツとバカしあっている俺ですよ。ありのままの自分、お互いさらけ出してるのあったし。3人の時、そんな姿見せてないし…というより見せるに見せれないし」



「晴輝…君…」



「どうして俺が、ありのままの自分出せたか分かりますか?」


「えっ?」


「俺の想いを知ってる奴だったからですよ。俺が、夏奈さんの事を好きだって事、真裕は知っていたから。アイツは、それを知ってて俺と過ごしてくれた。気を紛らわしてくれた」



「……………」



「夏奈さん…別れましょう…これ以上、付き合っていく自信ないから…」




俺は愛澤家を飛び出した。




俺は携帯を見る。



「真裕?アイツ…」



俺の携帯にアイツからメールが入っていた。


たった一言だけ




『逢いたい…』



と………


















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