第14話 冷静
智耶さんと付き合って数ヶ月が過ぎ―――春
晴輝と私は高校2年生を迎えた。
同じクラスになり相変わらずな関係が続いていた。
時々、学校帰りやバイトの後、待ち合わせをして帰ったりしている私達。
付き合っている人がいても友達として私達は帰る。
私はこの時間が
幸せな時間に変わっていった
肩を並べて歩き
バカしあって
ふざけあって……
正直
居心地良かった
そんなある日の事だった。
● 愛澤家
「あー……飲みすぎた……」
「ヤケ酒は体に悪いぞ」
「だってさー…ねえ…智耶…妹とは寝たの?」
「えっ?いや…俺達は別に恋人同士じゃないし」
「そうなの?私…てっきり…」
「俺は好きでも、真裕ちゃんの心の中には、まだ俺いないから」
「ストレス溜まってない?」
「ストレス?」
そう言うと、キスをする夏奈の姿。
「夏奈っ!」
「そんな怒らないの。元恋人同士…」
「夏奈っ!お前…どういうつもりだ?」
「私だって晴輝君の事で悩んでるのよ……」
「…夏奈…」
「…ごめん…あなたに言っても…」
キスをする2人。
そこへ、私は帰宅してきた。
偶然に遭遇した私。
「えっ?どういう…」
だけど
ショックなはずなのに
私の心は
不思議と冷静だった
私は智耶さんと恋人同士じゃないから?
それも一つはあるかもしれない
二人がキスをしているのを見て
動じない私
それはきっと私の心には
アイツが……
晴輝が
ちらつき始めていたからかもしれない……
二人は、何度もキスを繰り返し、洋服を脱がし合いを始めた。
私は静かに後退りをし部屋を後に出る。
「出たのは良いけど…どうしよう?」
私は一人の人物に連絡する。
だけど何て言おう?
理由が出て来ない
ストレートに2人の状況を言う?
「もしもし?」
ドキン
胸が大きく跳ねる。
「真裕、どうした?電話珍しくね?」
「うん…ちょっと…」
「真裕?」
会話が見つからない。
「…ごめん…やっぱり何でもない。切るね」
「真裕?待てよ!」
「…何?」
「兄貴に連絡したかは知らねーけど、兄貴ならいないけど。友達、迎えに行くって言ってたし」
「友達…か…」
「真裕?兄貴に用事ならメールしたら良いんじゃねーの?」
「…連絡した所でいつになるか分からないよ」
「えっ?」
「友達…お姉ちゃんの事じゃないかな?」
「夏奈さん?」
「家にいたから…お姉ちゃんお酒入っていた感じだし…」
「お酒?」
「うん…二人一緒だったよ」
「じゃあ、すぐ帰って来る…」
「…それは……どうかな?」
私は晴輝の言葉を遮るように言った。
「えっ?」
「あんな所見て、すぐ帰るなんて思えないよ」
「…お前…それって……そういう事か…じゃあ、お前まさか、今、家にいない感じ?」
「…うん…でも…大丈夫。…ごめん…時間適当に潰すし」
「バカっ!一人は危険過ぎるからこっちに向かって来な。すぐ迎えに行くから」
「でも…」
「俺達に遠慮いらねーだろ?何かあった時の俺達じゃん?今すぐそっちに向かうから」
「…晴輝…うん…」
私達は、途中で合流した。
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