第13話 スタート地点
そんなある日の事だった。
「あれ?智耶さん?」
公園のベンチに腰を降ろしている智耶さんの姿を見掛けた。
私は歩み寄る。
「智耶さん」
振り向く智耶さん。
「…真裕…ちゃん…」
「誰かと待ち合わせ?通りがかったから声掛けたんだけど…待ち合わせなら帰る…」
グイッと腕を掴まれ背後から抱きしめられた。
ドキッ
突然の出来事に胸が大きく跳ねる。
「智耶…さん…?」
「少しだけ…このままいさせて欲しい……」
切ない声で言われた気がした。
ドキン
胸が大きく跳ねる。
「…智耶さん……」
●一方
「あれ?夏奈さん…?」
俺は喫茶店にいる夏奈さんに気付き喫茶店に入る事にした。
「夏奈さん」
「…晴輝君…」
「誰かと待ち合わせですか?見掛けたから声を掛けたんですけど…」
「大丈夫よ。晴輝君、この後、何か予定ある?」
「いいえ、大丈夫ですよ」
「ちょっと…付き合ってくれない?一緒に出掛けたいの」
「別に良いですけど…」
俺達は、喫茶店を後に出掛けた。
向かった先は海だった。
車から降りる夏奈さんの後を追うように俺も降りた。
夏奈さんは背後から抱きしめた。
「夏奈さん?」
「私達…もう一度付き合えない?」
俺は、何となくそういう内容を言ってくるような気がしていた。
俺は返事に迷ったものの、多分、夏奈さんは勇気を振り絞ったのだろう?
「良いよ。もう一度付き合ってみても」
「晴輝君…」
夏奈さんは俺にキスをし、一旦、唇を離すと俺からキスをした。
●公園
そんな二人の事は知らない私達。
「真裕ちゃん…俺との事…考えてもらえない?」
「…それは…」
微妙な私の心の想い
「ゆっくりでも良いから付き合って欲しいんだ。もし付き合ってみて無理なら別れてもらっても良いから」
「……………」
「…分かりました…」
「…えっ?」
「ゆっくりと智耶さんと付き合ってみる」
迷ったものの、付き合ってみる事にした。
私達はお互い付き合う事にした。
未来なんて分からない
だけど
付き合ってみないと
分からない事だってある
でも……
お互いの恋愛模様は
何処か
見えない小さな壁があった
一日一日が過ぎる度に
見えない小さな溝ができ
4人の絆が
また変わり始める
男と女の関係から
見え隠れする
友達という関係
私達4人は
兄弟と姉妹
元彼と
クラスメイトであり
信頼性が何処かある
男と女の友情という間柄にある
支え合っているような私達
私の中では
もしかすると
晴輝が胸の奥に
存在しているような
気がした……
ただ
気付かない
自分がいたのかもしれない……
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