第8話 友達
ある日の事 ――――
3人は、私を励まそうと思ったらしく4人で出掛ける事になった。
向かった先は遊園地だ。
私達は楽しんだ。
「今日は、ありがとうございました!」
私は頭を下げ、お礼を言った。
「真裕、ほら、やるよ!」
晴輝が私に袋に入った物を渡す。
割と大きめだ。
「特別、俺からのサプライズプレゼント。じゃあまた明日」
「…うん。ありがとう」
私はお礼を再び言い兄弟と別れた。
「真裕、一日楽しめた?」
「うん」
「そうか。ねえ、真裕。晴輝君と付き合ったら?」
「えっ?」
「クラスメイトだし良いんじゃない?今日の計画も晴輝君の提案らしいわよ」
「えっ!?」
≪晴輝が?≫
またもや意外だった。
アイツは何だかんだいって私の事を気にかけてくれてる?
お姉ちゃんが好きなのに、どうして影で色々と?
本当、でも正直、感謝だ。
だけど、晴輝はお姉ちゃんが好き。
そんな姉は晴輝の想いを知らないから、クラスメイトだからって付き合う理由は何処にもない。
言った所で私を選ぶ事もない。
分かっている。
でも、晴輝の事を特別に想っていないから今のままで全然構わない。
私は晴輝の心の想いを伝えたいのはあったが私が言う事ではないから。
「クラスメイトでも、お互いの気持ちがないから」
「友達から付き合ってみたらどう?」
「ううん。別に今のままで良いよ」
「そう?」
「うん。恋愛感情もなければ、お互いの気持ちも一切ないし。告白する理由が分からないよ」
「そう。まあ…それもそう…よね…?」
ある日の学校帰りの事だった。
「真裕ちゃん」
「智耶さん?どうしたんですか?まだ、仕事じゃ」
「今日は有給貰ったから。それより、ちょっと時間貰えるかな?付き合って欲しいんだ」
「えっ?」
「兄貴」
「晴輝。お前、今日バイトは?」
「今から行くけど」
「乗っていくか?」
「ヤッタ!」
無邪気に喜ぶ晴輝。
ドキン
何故か胸が大きく跳ねる。
「真裕は、バイト探し?」
「えっ?…ちょっと付き合って欲しいって今、言われた所で」
「ふ~ん」
私達は車に乗り込む。
二人共後部座席だ。
「お前、前に行けば?」
「癖よ癖!そういう自分が前に乗りなよ!」
私達は騒ぐ。
クスクス笑う智耶さん。
私達は車内で話をしながら、智耶さんは車を走らせた。
「じゃあな」
「うん、行ってらっしゃい」
「せっかくだしお前、代わりにバイトしろ!」
「無理!」
私達は騒ぎ、別れた。
「本当、二人っておもしろいよな」
「えっ?」
「付き合えば良いのに」
「…智耶さんも、お姉ちゎんと同じ事言うんですね」
「えっ?アイツも言ってたの?」
「言ってた。私達には一切、恋愛感情もなければ付き合う気、更々ないので」
「そう?」
「そうですっ!それより、一体どうしたの?何処に向かっているの?」
「真裕ちゃんの新しいバイト先。良かったら下見だけでもと思って。する、しないは真裕ちゃん次第だから」
「本当に?助かります!」
私達は色々と話をしながら智耶さんに連れて行って貰った。
「ここなら学校から、そう遠くはないし俺の仕事場からも遠くはない。雑貨屋だけどやってみない?」
「えっ?」
「これからクリスマスに向けて忙しくなるから、今、募集中なんだ。雑貨屋は男女関係なく人気あるから早い方が良いと思って」
私はとりあえず面接をする事にした。
面接当日。
「合格!」
「えっ?」
即決だ!
「明日から宜しく!」
「明日から?」
展開が早すぎる!
「都合悪い?」
「いいえ!余りにもトントン拍子に決まり過ぎて…頭が追い付いていかなくて…」
「そう?じゃあ、明日から大丈夫かな?」
「はい!」
時間を聞き私のバイトが決まった。
「君の事は智耶から聞いていたよ」
「えっ?」
「アイツが、ここ紹介してくれたんだろう?」
「はい、そうです」
私は話を聞いた。
智耶さんからも話は聞いていたけど……
朝伊紫 和幸(あさいし かずゆき)さん。20歳。
智耶さんとは友達でもあり、親友でもあるとの事だった。
そして、バイト初日。
「朝伊紫さん」
「和幸で良いよ」
「それじゃ…和幸さん。和幸さんは、20歳でオーナーになるなんて凄いですね!」
「そう?元々、アクセサリーとか扱うの好きだから独断で勉強して今を至っているから」
「それが凄いんですよ!才能があるんですよ!」
「真裕ちゃん」
「本当凄いとしか言いようがないけど…そういう自分のやりたい事があるから羨ましいです」
私達は色々話をしながら、バイトをしていた。
そんなある日の事。
「真裕ちゃん」
バイト先に智耶さんが現れた。
「頑張ってる?」
「はい!せっかく紹介して頂いたのに辞める訳にはいかないしと、言うよりもすっごい楽しいので辞める気ないですけど」
「そうか。それは良かった」
「よー、智耶。来てたんだ」と、和幸さん
「ああ。今来た所。どう?この子」
「全然、OK!頑張ってくれてる」
「そうか」
私は二人に茶化されつつ少し話をしていた。
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