37. 当然です

ミューちゃんが美味しそうにドーナツを食べ始めたので、僕は現実と向き合うことにした。ちなみに主様以外のオリジンの皆さん(+ライフさん)はやることがあるとかで帰っていった。


「とりあえず、種族の詳細からかな。」



使徒(ヒューマン)


神の使い、代行者。神の力を一部使うことが出来る。外見はヒューマン種と変わらない。HP.MP.SPの自然回復速度が大幅に増加する。スキルによるステータス増加効果が2倍になる。プレイヤーLV上昇の為の経験値が大幅に増加する。



うわー。やべー。実質ステータス2倍で回復速度が大幅UP、うん。ぶっ壊れだ。デメリットのLVが上昇しにくくなるなんて、あって無いようなものだね、だってLVが上げられないんだもの。......あ、なんか悲しくなってきた。


気になるのは【神の力を一部使うことが出来る】って記述かな。ミューちゃんの力の一部を借りれるということだろうか。落ちついたら聞いてみよう。


次は職業だ。僕はやっと無職から職業待ちになることができた。拓人から、「清一の職業ってなんだ?」と聞かれ「うるさいな、無職だよ。」のやり取りを何度繰り返したことか、この度に周りのクラスメイトからはクスクス笑われるし、「え、華月くんのご両親って無職なの?!」と変な誤解もされたのだ。



女神の守護者 LV.1


守護対象が近くにいる場合ステータスが1.1倍になる。守護対象のダメージを強制的に肩代わりする、その際ダメージを0.9倍にする。全スキルの取得率、熟練度が大幅に増加する。※特殊職のため通常の職業とはLV上昇のための方法が異なります。


ふむふむ。LV1だからかなまだ大人しい範囲に止まってるかな?ミューちゃんが近くにいると強くなって、ミューちゃんへのダメージを強制的に僕が受ける。と、感じでいうと、騎士の上位の方のクラスなのかもね。問題は注意書きのところだね、どうやって職業LVを上げるのだろう?.....これも検証が必要だね。


最後に称号だ。感じで言うと一番不安になる感じがしているので確認するのが少し怖いけど見ていこう。



守護者?保護者?


守護対象が保護対象と同一の者を守護する者の証。対象が一人前もしくは本来の力を取り戻すまで獲得するプレイヤーLV経験値が対象に与えられる。スキル熟練度が大幅に増加する。



...........終わった。僕のLVはしばらくどころかこの先ずっとLV1のままみたいだ。


はぁー、とりあえずもう一個の称号も見てみよう。



共に歩みし者


世界に忘れられた女神と共に歩みし者の証。スキル【踏み出す一歩目ファーストステップ】を使用可能。



【世界に忘れられた女神】ね、これがキーワードなんだろう。ん?使えるスキルが増えるみたいだ、ちょっと確認してみよう。



踏み出す一歩目ファーストステップ


その一歩は何者にも阻むことは出来ない。発動にSP1.MP1を消費、連続して使用すると消費が倍々に増加する。

LV×ALL50増加



....おっふ!説明が微妙だけど、ステータスの上がりがヤバイ。


「みゅ~。おにいちゃん、のどかわいた~。」


おっと。ミューちゃんからおねだりだ。確認はここまでにして検証はまた今度にしよう。ドーナツに口の水分が持っていかれたのかな。


「果物のジュースしかないけどいいかな?」


「うん。」


濃縮エキスを水に垂らしてフルーツジュースを作るだけっていうのもいまいち芸がないよね。そうだ!フルーツ牛乳を作ろう。



ふふふ.....取引板で【聖りんご】さんの出品物をこまめにチェックしていてよかった。昨日僕はミキサーを手にいれたのだ!やはりあの人は、呪われてるのだろう、見るたびにキッチン用品か拠点の大型の家具が出品されている。


まずは、バナナ、ピーチ、オレンジ、パイナップルを用意し、ほどほどの大きさにカットしてミキサーにかける。そこに、ハチミツを少しいれ更にミキサーで混ぜる。最後に牛乳を加えてミキサーで少し混ぜてやれば完成だ。


ミックスフルーツ牛乳 ★7

4種類のフルーツが程よいバランスで使われており美味しく飲みやすいフルーツ牛乳。HP50%MP30%SP30%回復。

私も飲みたい🖤 牛乳をモンスター由来の物にすれば更に◎ 女神的にexcellent


テキストの女神様も誉めてるし上出来だね。しかし、モンスター由来の食材ね、今度取引板で探してみよう。


「ミューちゃん、お待たせ。」


「みゅ~。おそいよ~。」


「ごめんね、その代わり美味しくできたから飲んでみて。」


ヤバイ、ヤバイ。先生と師匠がいたら狩られていたかもしれない。


「みゅ~。おいしい~。」


よかった。お気に召したようでなによりだ。


「おかわりもいっぱいあるからね。」


「キャー。」


「はは、君たちの分もちゃんとあるよ。」


お猿達が我慢できなくなったのか僕の体に張り付いておねだりしてきた。


お猿達にジュースとドーナツを渡したら、ミューちゃんの隣で食べ始めた。うーん。絵になるなスクショを撮っておこう。


あっ!そうだ、主様に忘れる前に許可をとっておこう。


「主様、少しよろしいですか?」


『なんでしょう?』


ミューちゃんが目覚めてからはミューちゃんの側から全く離れる様子が見えない主様。


「来訪者のお祭りがあるのですが、そこでフルーツの濃縮エキスを使ったジュースを売りたいのですが、どうでしょうか。」


『ああ、前に言っていた来訪者の戦いのお祭りですね。そうですね......原液の販売でなければ大丈夫でしょう。』


やった!許可がでた。後は看板を作って、コップを用意するだけだ。


「おにいちゃん、どこかいくの?」


「もうちょっとしたら、来訪者の戦いのお祭りがあるんだ。そこで僕もお祭りに出たり、お店をやったりする予定なんだよ。」


「おまつり!!みゅーもいく~。」


え?来るの。それより来れるの?


「えーと......」


『セト、ミュー様のされたいように取り計らってください。懸念していることは問題ないでしょう。』


「ミューちゃんも、来訪者のお祭りに参加出来るんですか?」


『転移アイテムで会場に移動すると言っていましたね。ミュー様もそれに同行すれば何の問題も有りません。現地での警護はセトに一任します。セトは使徒であり守護者なのですから当然です。』


どうやら決定事項らしい。種族も職業も主様にばれていたようだ。有無を言わさぬ圧力が主様から出ている。


「ミューちゃん、お祭り楽しみだね。」


「うん。」


僕はNOと言える立場にいないのだ。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る