7. .....海が...きれいだ。
僕は、母の詐欺にあい不条理に飛ばされた。ランダム転移というくらいだ、まともな所ならいいなと半分諦めた気持ちで目の前に景色が広がるのを待った。
森?最初に見て思ったのはそんな感想だった。
「...本当どこだよここ、周りに誰もいないし......愚痴っても仕方ないね、とりあえず周辺を確認しよう。それにしても、暑いな。」
そう自分を納得させ周囲を探索するために歩きだした。
ザザーン、ザー、ザザーン。
しばらく歩くと波の音が聞こえたきた、何も発見できていなかった僕は音のする方に向かった。
「これは、母さんに少しは感謝しないとね。」
そこには綺麗な白い砂浜と、透き通るようなエメラルドグリーンの海が広がっていた。
景色に感動し、マイマザーへの怒りも少しの感謝に変わったところで、少し心に余裕が出てきたので冷静に現状を確認してみた。
今の僕の格好は、白い麻の半袖の上着に、茶色い麻のズボン、薄茶色の編み上げの革靴を装備していた。.....村人スタイルだね。
次はシステム的なものを確認しよう。
やり方がわからい....マイマザーへの怒りが再燃してきた、絶対許さない、昔の恥ずかしい日記を家族全員の前で朗読してやる。
落ち着け、僕はやればできる子だ。考えるんだ、これはVRゲームだ、脳波をある程度計測しているはずだ。それらしいことをやれば反応するはずだ、とりあえず声に出して言ってみよう。
「メニュー」
よし、正解を引いたらしい、目の前にウィンドウが現れたステータスやインベントリ、ログアウト等の機能が色々あった。消えろ、と思ったら消えたので声に出さなくてもいいらしい。
ステータスとスキルの確認しよう。
名前 セト
種族 ヒューマン
職業
LV 1
ステータス
HP:85/160
SP:50/50
MP:65/65
STR:10
VIT:16+5
SPD:10+1
DEX:10
INT:13
MND:10
LUK:7
スキル 鑑定LV1 インベントリ容量増加・小LV1 環境適応LV2
気配察知LV1 言語理解LV1
装備
右手:
左手:
頭:
胴: 初心者の服(VIT+3)
足: 初心者のズボン(VIT+2)
腕:
靴: 初心者の靴(SPD+1)
アクセサリー:
HPが減ってる、攻撃手段がない、しばらくは素手か?等色々疑問が浮かぶが後回しだ。とりあえずスキルの詳細が見れるので確認しよう。
鑑定 対象を鑑定できる。LVにより鑑定できる内容が異なる。対象とのLVに差がありすぎると鑑定できない。 LV×1のINT増加
インベントリ容量増加・小 インベントリの容量を増加 LV×2の容量増加
環境適応 周囲の環境に適応できる、寒暖によるダメージや動きの阻害を軽減する。LVにより効果が増加する。 LV×3のVIT増加
気配察知 周囲の自分以外の気配がわかる。LVにより距離と制度が増加する。 LV×2のLUK増加
言語理解 他の言語の理解ができる。LVにより理解できる対象と内容が増加する。 LV×2のINT増加
なるほど、スキルにはステータス増加の効果もあるのか、環境適応は当たりスキルだったね、歩いてダメージが入っいるってことは、暑さによるダメージがあると考えられる。これだけLV上がってるし。
インベントリを見る前に環境設定をいじってみる。
痛覚設定 まだ直接的なダメージ受けてないのでどの程度かわからないね。とりあえず100のままにしておいた。
表示設定 自分のHP.SP.MPを視覚内に表示できるらしい、環境ダメージで倒れるのは嫌なのでONにしておいた。
あとは、おいおいでいいかな。
次はインベントリだ、頼むぞ、本当に
インベントリ
・初心者用ポーション×5(LV10まで使用可能 HP50%回復)
・簡易テント(ログアウト用の拠点、回収すれば何度も使えるが最初の町につくと消滅する)
・初心者用ナイフ
うーん、なんだ普通?テントはランダム転移の補填か?とりあえずナイフを装備しよう。ナイフに意識を集中するとインベントリから実体化した。ちょっとビックリしたのは秘密だ。インベントリに収納できるか不安だったのでナイフを手に持ってインベントリに入るよう意識すると消えたので安心した。
木陰に移動しHPが回復するのを待つ、環境適応を育てないとまともに探索できないな、と考えながら横を向くとバナナ?らしき物を見つけたので木からもいで試しに鑑定してみた。
【バナナ?】
バナナらしきもの。対象とのLV差があるため詳細が鑑定できません。
.....僕はショックを受けた。僕はバナナより弱いのか。いいや!違う、ただ鑑定のLVが低いだけだ。ワンモアトライ!!
【バナナ?】
バナナらしきもの。対象とのLV差があるため詳細を鑑定できません。
勘違いではなかった。
僕は憂さ晴らしに目に見える範囲のバナナ?らしき物を収穫しまくった。
僕は収穫により暑さのダメージを受け、HPが1割を切った所で木陰に戻った。
「.......海が.......綺麗だ。」
HPと心が回復するまで海を眺める。決して現実逃避ではない......。
「......せっかくだし、バナナを食べよう。」
インベントリからバナナを取り出して皮を剥くと、いい臭いがした、口にいれなくてもわかる確実に美味しいやつだ!!
いざ!!いただきます!!
!!?!!うまい、うまいぞーーーー!!!
心も回復したところで、現実と向き合おう、さっきから視線を感じる。正確にはバナナを収穫してた頃から見られてた。気配察知には引っ掛かって無いので確実に僕より強いはずだ。敵意は感じないのでとりあえずこちらから声を掛けよう。
「僕に何かご用ですか?」
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