襲来者たち
いや・・・・・
いまだ陽は落ちていないはずであるのに、突如として平馬の視界が闇に閉ざされた。
《これ、やめるでないぞえ》
《うろたえるでない、平馬!闇の中にいると思念するは、そもそも間違いぞ》
伽紅耶が叱咤した。言われて平馬は気づいた。
おそらくまだあたりは明るいのだろうが、自分が
そうと知ればそれほど
突き出した短刀の位置は動かない。隣に居たであろう伽紅耶も続ける・・・・。
《ふるべ、ゆらゆらと、ふるべ・・・・》
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぅ、いぃ・・・・」
《ふるべ、ゆらゆらと、ふるべ・・・・》
「やぁ、こぅ、と・・・・ことをおさむる・・・」
伽紅耶との揺るぎない
「や!そこに、光りの輪が!」
平馬は
雑木林の一角に楕円の輪が光っている。
《あれに向かえ!》
そう叫んだ伽紅耶はしゅるっと縮んで身の
短刀の切っ先を正面に
速くはない。
といって遅くもない。
そのあいだにも、伽紅耶は平馬の左耳のなかで、ぶつぶつ沸々と声にはならぬ呪文を唱えていた。
《〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️、〰️〰️、〰️〰️〰️》
どんな
・・・・光の輪とみえたのは、奥底へと続く洞窟の入り口のようであった。
《〰️〰️〰️〰️〰️〰️、おっ、迷うでない、飛び込むのじゃ!》
伽紅耶の叱咤に本能的に躰が動いた。平馬は禹歩を納めて、通常の走りにもどってその輪の中へ向かっていった・・・・。
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