伽紅耶(ニ)
《これこれ、〰️〰️〰️〰️よ、悪ふざけは止めてたもれ》
いやに艶を含んだ声で少女が言った。やはり、
少女が平馬の
《
きゃきゃゃと笑い立てた伽紅耶の歯は、ほおずきを
「ひゃあ」
おもわず平馬が喉を震わせた。
お
・・・・
平馬は母を知らない。
父の顔は知っていはいるものの杉森
父母の愛を知らないということは、平馬にはある種の人間関係構築力が欠落していることを意味していた。
男のなんたるかもわからず、女のなんたるかもわからない。
人間嫌い。
これが平馬の
・・・・まして、物心つくかつかない頃から、
ちなみに。
鞍馬は、
いずれにせよ。
平馬は、ともに過ごした同い年の一条善哉や、数年前に突然現れた老侍の竹沢左京衛門、一条屋敷の奉仕人ぐらいしかまともに喋ったことはないのだ。
だからこそ、綺や河童烏のような身近な人外の存在こそ、平馬にはかけがえのない友、仲間なのであって、いま、目の前に現れた
〈警戒せずともよい、警戒せずともよいぞ〉
繰り返し綺はそう平馬を
もっとも伽紅耶が自らの名を告げたことは、前進だったというべきであろう。あやかしがおのが固有の名を相手に明かすことは、すなわち、危害は加えないと誓った・・・・ことを意味しているからで、その意味では敵対する側のものではないはずである。
とはいえ。
半日が過ぎてもなお、平馬の意識はとまどい続け、思念は一向にまとまらず
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