京に舞う風
・・・・京都所司代は、幕府の要職中の要職で、
この時代。
すなわち寛文八年(1668年)。
つまりは。
老中職にあった者が格下ともいえる京都所司代職に
しかも。
板倉内膳正は、稀に見る胴長短足のあばた顔であった。この噂が広がるやたちまち
胴長短足 鎧も着れず
顔にはでこぼこ 穴の山
これでは どうにもならんぞと
ながぁい
・・・・平馬の耳にもこの節がついた唄が届いている。おもいおもいに節をつけたり
けれども笑ってばかりはすまされない。
師匠の
『ゆめゆめ
と、訓戒してきたのだ。
・・・・この戒めが平馬の
それに、とみに京にざわめきが起こったのは、この板倉内膳正の所司代就任の一件だけではなかった。京都町奉行所という役所が、新たに設けられることになったのだ。この町
(なにか、とてつもなきことが、起ころうとしている・・・・)
そんな漠然とした予感が平馬をいつになく
しかも。
江戸からの見慣れぬ侍らの流入と時期を前後するかのように、平馬が伊賀者に襲われ出したことは、決して偶然とはよべないであろう。
もしかすれば、
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