第17話
『そして黒栖さんと私達が模擬戦をする理由は、黒栖さん
三嶋は弩門に自分達が模擬戦をする理由を説明する。
仁本国では封院とその内部にある
しかし中にはこの決まりを守らず、無断で封院に侵入して秘宝等を強奪する者達がいた。彼らが封院に侵入する理由は様々だが、その大半が遊び半分、あるいは秘宝等の封院内で得た物を売った金銭目的であった。
それ故にダンジョンアイランドでは無断で封院に侵入する者達を「ゲーム感覚で封院を暴き、個人の権利を侵害する者」という意味を込めて「
『もし万が一、暴権者が封院から厄病呪毒千眼金鎧を盗み出して外に出したら、それだけで地球は滅亡するでしょう。それを防ぐ為にまず黒栖さんの封院の攻略難易度を調べて、それを元に防衛のアドバイスやサポートをします。そのための模擬戦です』
「な、なるほど……。分かりました」
三嶋から模擬線をする理由を聞かされた弩門は、思っていた以上に自分の周囲が大きく動いていたことに驚きながらも模擬戦について了承するしかなかった。
□■□■
「絶対に負けられない戦いか……」
三嶋との会話を思い出した弩門は思わずそう呟いた。
もし暴権者が封院にやって来たら、弩門は絶対に暴権者を撃退して自身の秘宝である厄病呪毒千眼金鎧を守らなくてはならない。そうしなければ三嶋が言ったように地球は滅亡してしまう。
今まで弩門が漫画やゲームで見てきたダンジョンは、世界を救うためのアイテムが隠されていたり、世界を滅ぼそうとする魔王の住処とかで、ダンジョンを攻略することは世界を救うことと同意義のイメージがあった。だから自分の封院にやって来た侵入者を撃退し、封院の奥にある秘宝を守ることが比喩でも何でもなく世界を守ることである今の状況は、なんだかあべこべのような変な気分だと弩門は思った。
「まあ、いいか。とりあえず封院の中は大体分かった。昼飯を食べてから確認の続きをするか」
気を取り直した弩門は昼食代わりに持ってきた携帯食料を食べてから、封院と自分の封院所有者としての力の確認作業を再開しようと考えたのだが……。
「あれ? ヤバいな、これ。全く見えない」
携帯食料を食べるには当然
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