第3話
「ここがダンジョンアイランドか……! そして……」
武装列車を降りて駅から出た
この建物と動物が一つになったような巨大な存在こそが
封院は普段、世界と世界の狭間である異次元に存在しているのだが、支配者である
「成る程……。確かにこれは多くの人達がお金を払って見に来るはずだ」
ダンジョンアイランドは基本的に関係者以外は立ち入り禁止なのだが、審査を受けて入場料を支払えば一般人でも入ることが出来る。その為ダンジョンアイランドには毎年多くの観光客がやって来るのだ。
『『………』』
上空に浮かぶ封院を見て弩門が高い入場料を払ってダンジョンアイランドにやって来る観光客の気持ちを理解していると、周囲の通行人達が彼に注目し始める。囚人服のような服を着ている弩門の姿はやはり周囲から浮いて目立ち、通行人のほとんどは彼の着ている服が新しくやって来た封院所有者が最初に着せられる服だと気づいていた。
(……ヤバイな。少し長居しすぎたみたいだ)
周囲の通行人達から値踏みをされるような目で見られていることに気づいた弩門は急いでここから離れることにした。
ここは封院の力を求める者達が集まる場所、ダンジョンアイランド。仁本国と異世界で決めた法律により、封院所有者を襲い掛かることは禁じられているが、それでも絶対に安全という訳ではないのだ。
特に弩門は今日封院所有者となったばかりで、自分の封院がどんなものなのかも知らない。その上、実家に押し掛けてきた機動隊員から、ダンジョンアイランドに着くまで封院の力を使わないようにと注意されていた。
(まずは自分の封院所有者としての力の確認。残念だけどダンジョンアイランドを見て回るのはその後だ)
弩門はそう自分に言い聞かせると、これから自分が住む住居へと向かうのだった。
⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎
機動隊員から渡された封筒の中には、弩門が住む住居の地図が一枚だけ入っており、地図が示す場所へ行くとそこは十階建てのマンションだった。
マンションは入り口と部屋のドアに指紋と網膜を認証するセキュリティーシステムがあったが、指紋と網膜パターンはダンジョンアイランドに起きられる前に機動隊員に取られているのですぐに入ることができた。
部屋の中は六畳半ぐらいの広さの居間とクローゼット、トイレにシャワールームのみというシンプルなもので、寝るだけの部屋という感じである。しかし封院という自分だけの「家」を持つ封院所有者にしてみれば、寝られて荷物を置ける場所さえあれば充分であり、弩門も特に不満を感じることはなかった。
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