第24話『第二次上田合戦〜上田城下の戦いのその後〜』

あの大敗から数日が経過し、秀忠は小諸城に一時引き上げていた。


実を言うと、約一万の軍勢が勝手に上田城下に攻め込んでいたのと同時刻に、秀忠は真田陽動隊の攻勢にあっていた。


その勢力は意外と大きく、本陣の兵力では心細げであった。勿論先陣を切っていた兵力は勝手に上田城下に攻め込んでいた為に、援軍は期待できなかった。


真田昌幸が三男、真田信勝の率いた勢力は大凡2000と、上田城の兵力の1/3を裂いた、真田にとって非常に重要な一戦であった。


そしてこの戦いは織田信長が、今川義元を桶狭間の戦いで破ったのとよく似ている。これもまた昌幸の策略である。


信勝率いる2000は、戦況を見つめていた徳川秀忠が本陣に急襲をしかけた。突然の攻勢に動揺をしてしまった秀忠ら勢力は、小諸城への撤退を余儀なくされた。


当初は勿論動揺していたとは言え、多少の反撃を行なってはいた。しかし、本陣にいた兵力はこの時3000と真田と1000しか変わらず、混乱している軍勢と急襲を仕掛けた軍勢との1000の差などでは、急襲を仕掛けた側が圧倒的に有利であった。


3.8万の大軍勢であるのだから、上田城下に攻め込んだ以外の、残りの2.5万の兵力は何処にいる。何故助けに来ないのかと思うだろう。この時、内一万の軍勢は砥石城や伊勢崎城の落城後その場に留まったままであった。


また他1.5万の兵力はというと沼田城に近い、上野国にある岩櫃城攻めを行なっていたのである。この岩櫃城を守るのは真田昌幸が四男真田昌親……若干十七の若武者を筆頭に、西軍の援軍で集った各将兵であった。


頑丈な要塞たる岩櫃城には3000もの兵力が集っており、沼田城の守備の為にも、1.5万の兵力を割かざる負えなかった。


尤もその岩櫃城はというと、上田城下攻めで大敗してから一週間後に、軍勢が岩櫃城を放棄し上田城援軍へと向かう。このことに徳川勢が気づいたのは、岩櫃城が放棄されてから三日後のことであった。


こうして、本陣に十分な兵力を残せていなかった秀忠は砥石に4000程残すなど、真田を牽制しつつ、小諸城へと撤退することとなった。


小諸城にて大敗の後処理、軍勢の立て直しを行なっていると、正確な数字が大凡割り出されてきた。


大凡3/4の被害で収まっていたと思われた被害は想定以上に大きかった。傷を負い戦えなくなった者、傷を負い数日のうちに死んでしまった者そして、行方不明になった者、そういった者達は、攻め込んだ軍勢大凡一万の内、約2/3に当たる3500名以上であった。


最早言い訳しようのない大敗であり、軍内部では上田城攻めの中断を主張する者と、雪辱を果たす為にも今一度上田に総力をかけて攻め込むべしと主張する者に真っ二つに二分された。


「今は江戸へ引き態勢を立て直しましょう」と正信が進言した。


そうすれば忠政は「正信殿は父の申す様に腰抜けか!幾ら真田の守る上田と言えど、2万6000の兵力を以ってすれば、攻め落とすなど簡単よ!」


其れを聞けば「岩櫃城のことも気になる。早急に攻め落とすは岩櫃の方」と康政は進言する。


弟秀忠の苦戦を耳にし、駆けつけた結城秀康はというと、「7000の兵力を残し、秀忠は上方へと向かうのだ。後はこの兄が引き受けよう」と全く別の考えを述べる。


朝食を摂り、それから日の沈むまで行われた会議に、秀忠は遂に決断した。


「岩櫃城の兵力以外全ての軍勢を以って上田城を攻め落とす。我ら徳川の威信にかけても!」


と宣言をした。


諸侯は従い、翌日になり陽が登るのと同時に、上田城に向けて大軍が進軍した。


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日間や週間で、五十番以内に表示されていて、びっくりしました。母体数が圧倒的に、他のジャンルと異なり少ないのもあるとは思いますが、其れでもまさか五十番以内にいたとは思いませんでした。


皆様本当にありがとうございます😊


当分の目標は拙作の『彼女をレンタルしたらモテる様になった件』を超える事です。


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