『幼少編』

第1話『プロローグ』

無茶苦茶短いです。ごめんなさい!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


秀頼公の落胤である口伝を親から聞かされてからというもの、俺こと大谷秀胤は度々御先祖様のことを調べに、図書館に通っていた。


そんな日常を歩み、雨の降り頻る中傘をさしつつ図書館へと向かっていたとある日。俺は気づけば通り魔に腹を突き刺されていた。


脇腹には刃渡りがどのくらいかは分からないが、包丁の様な物が刺さっていた。刺したと見られる雨ガッパを着た男は走り去ってゆく。


傘は開いたまま落ち、手に持っていた書籍は水溜りと雨によってゆっくりと、されどしっかりと、中心部まで濡れてゆく。


次第に意識が朦朧として、視界は段々とぼやけてくる。俺の周りが雨水に混ざった血液で赤く染まった血の水溜りが出来始めた頃、遂にその意識を手放したのであった。


何故か最後に考えたのは、御先祖様の秀頼公であった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ふと日の光が目に入る。どうやら俺は九死に一生を得たようである。しかしどうも病院のようにはとても思えない。普通病院といえば白色の天井を見ることになる筈なのだが、何故か木の天井であった。


そうこうしている間に突然声が聞こえてきた。


「拾丸様起きて下され、太閤殿下がお呼びですよ」


女中優しい声が聞こえてくる。どうやら誰かがお越しに来てくれたらしい。

しかしながら何か違和感が……


拾丸様!?太閤殿下!?


拾丸様といえば秀頼公の幼名である。まさかっ!?と思って飛び起きて見ると、周囲は上質な畳が敷かれた寝室だった。庭に目をやってみれば、しっかりと手入れが施された枯山水の庭が広がっている。


そして極め付けには俺は身体が縮んでいた。


どうやら俺は御先祖様の豊臣秀頼に転生してしまったらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る