シイナは一緒にゲームがしたい

「よーす」

「おはよ」


2年Bクラスの教室に入り前の席にいる、幼なじみの星宮綾人ほしみや あやとと挨拶を交わす。


「湊、昨日もずっとシイナさんとゲームしてたのか?」

「そうなんだよ、1時までやってたからちょっと眠い」

「ホントお前ら仲いいよな」

「まぁね」


その時、ポケットに入っていたスマホが通知音を鳴らした。


『いま起きた!やろ!』

『今日、月曜日、OK?』

『OKだから早くやろ』

『全然OKじゃないね、言い方変えるわ。今、学校、OK?』

『じゃあ家に帰って』

『無理、仕事してろ』

『( ᵒ̴̶̷̥́௰ᵒ̴̶̷̣̥̀ )』

『帰ったら連絡するから』

『うぇーい!』

『テンション大丈夫か?』


「はぁー」

「シイナさんからか?」

「そう」

「あの人、確か俺らより一つ下だよな?学校行ってないの?」

「そうなんだけど、しっかりお金稼いでるから

なー」

「あーそういえばイラストレーターなんだっけ?前聞いたわ」

「そうなんだよ、しかも結構人気だし」


そう言ってtuuittaというアプリでシイナのアカウントのフォロワー数を見せる。


「ほれ」

「えーフォロワー14万もいるのかよ」

「そうなんだよ」


そんなふうに話しているとキーン、コーン、カーン、コーンという誰もが聞いたことがある音が聞こえてきた。


「そんじゃ、地獄の1週間頑張りますか」

「そだな」



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『描き終わったー』

『お疲れ』

『学校終わったー?』

『帰宅途中』

『走ってー!!』

『電車より速く走ることは出来ません』

『頑張れば行ける!』

『そいう問題じゃないんだよなー』

『じゃあ、できるだけ早く帰ってね』

『あいよー』

『ヾ(⌒(ノ'ω')ノ』


それから最寄り駅に降りてからはいつもより少し速めに歩いて10分程歩いた所で我が家が見えていきた。


「あ、お兄ちゃんおかえり」

「え、お前帰ってくんの早くね」


玄関を開けてリビングに入ると、Tシャツの上から黒い上着を着ている、亜麻色の髪をした妹の真冬まふゆが、冷蔵庫から飲み物を取り出しているところだった。


「今日はゲームのイベントがあるからね、めっちゃ頑張って走って帰って来た」


そんなことを言って真冬はスタスタと、俺の横を通り過ぎて階段を上がっていった。


『着いた?』

『おん』

『じゃあ、早く入ってきて』

『あいよー、その前に着替えさせてなー』

『えー、そのままでいいじゃん』

『流石に制服のままは嫌だわ』

『むー、じゃあ1分で着替えて』

『無理だわ!』

『えー分かったからなるべく早く来てよ』

『なんで俺が許してもらったみたいになってんだよ』

『( ˘-з-)』

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