第17話 あの時のおっさん、現る
ついに、決勝戦がやってきた。
相手はここまで、余裕で勝ち進んできたあのおっさんだ。
このおっさん、どっかで見たことあるんだよなー。
「お前、俺が銀貨を貸した兄ちゃんじゃねーか」
その男に言われて思い出した!あの親切な、いかついおっさんか。
「あの時は、ありがとうございました。借りたお金は、優勝して返します」
「言うじゃねーか!ガハハハ」
ついに、始まる。
「決勝戦は、街の人気者グリット親父と期待の新人、杉本海斗だー!」
会場のボルテージは最高潮だ。
「パパー!」
レイン、見ておけよ。パパが優勝してやるぞ。
「試合を開始してください!」
俺は今までの試合通り、おっさんの懐へ入った。その瞬間、体全体に衝撃を感じた。俺の体は三メートル程、吹き飛ばされた。
司会の男が叫ぶ。
「でた~、グリッド親父のスキル衝撃波だ!」
何てスキルだ。一発貰っただけで、気を失いそうになる。
集中して、衝撃波のタイミングを読み取るしかない。俺は、目を閉じた。
…ズッ、よし今だ!俺は超スピードで背後へまわり込む。勝った…
あれ?おっさんが見当たらない。後ろから声が聞こえた。
「そのぐらい、わしも出来るわ」
振り向くと、おっさんは目を閉じていた。
ドカン……ドサッ
「勝者、グリッド!」
こうして、ファイティング・フェスティバルは終了した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます