第15話 マントの男

「それでは、試合を開始して下さい!」


 俺は開始の合図とともに超スピードで相手の懐へ飛び込んだ。腹に一発ぶちかましてやる!


 レオルはマントをひらりとなびかせて、後ろへ飛びながら避ける。


 ドカーン


 何だ今の爆発は!間一髪、マントの中を警戒していたから避けることができたが、こいつ爆弾を仕込んでいるのか?おいおい、そんなの反則じゃないのかよ。


「すまないね、これはスキルなんだ。ちなみに爆弾は無限に生成出来るよ~」


 やばい。一発でも当たれば終わりだ。

 あの爆弾を全て回避して、俺のパワーで一発殴れば勝てる。


 俺はもう一度、スピードを生かし相手の懐へ潜り込んだ。


「何度やっても同じだよ~」


 …ドン…バタッ


 レオルが前のめりに倒れた。


 そう、俺は懐へ飛び込み爆弾を投げられた瞬間に煙を視界に相手の後ろにまわり込んだのだ。そした、背中に一発ぶちかました。


「勝者、杉本海斗さんです!」


 ウォォーー!


 観客から歓声が上がった。

「あいつ、今何やったんだ?見えなかったぞ!」

「初めて見たけど強いじゃねーか」

「俺はあいつが優勝するに銀貨五十枚だ!」


 よし、とりあえず初戦は突破した。

 勝負はここからだ!



 試合はどんどん行われ、その後も俺は勝ち進みついに準決勝までいった。


「準決勝、一回戦はリゼさんと杉本海斗さんです!」


 この女は強い。魔法は使えないが、剣さばきはルイスに勝るとも劣らないだろう。

 リゼは特に何も話してくることはなかった。

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