第14話 やるしかない
強そうなやつがちらほらいるな。
あいつなんて、二メートルくらいあるぞ。パワーでは敵わないだろうから、スピードで翻弄して攻撃するしか無いな。
あの女もオーラがあるな。剣士だな。長物を使わない俺は少し不利だが、剣を奪いさえすれば勝ち目はある。
あの女に声をかけるばかりしているチャラそうな男。おそらく、あいつも曲者だ。あの長いマントの中に何を隠しているか分からないが、隙を見せればやられそうだ。
俺は俺のやって来たことを全力でやるまでだ。
「対戦相手を発表します!」
係員の男が呼びかける。
俺の番号は十二番。さあ、相手はどんなやつだ。
一回戦から順番に発表されていき、ついに俺の番号が呼ばれた。
「四回戦は、六番と十二番です」
あいつが俺の初戦の相手か。
その男は、あの長いマントをしたチャラそうな男であった。
全員の名前が呼ばれ少ししてから一回戦が始まり、トーナメントが進んでいった。
「続いては四回戦、レオルさんと杉本海斗さんです!」
司会の男が会場に知らせる。
「パパ、頑張れー!」
心臓の鼓動が相手にも聞こえているのではないかというぐらい大きくなっていたが、俺は冷静であった。
「よろしくね、お手柔らかに」
レオルという男がニコッと微笑んで俺に握手を求めてきたので、俺はぎゅっと握り返した。
「ああ、よろしくな」
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