ガタゴト線路とキラキラ金平糖〜頭に大怪我をした仔猫のお話

ぴいこちゃんのおうち

　９月６日。頭蓋骨を固定している二つのプレートの除去手術のために、ぴいこちゃんは日帰り入院でした。

　再び頭を剃（そ）られて、ガタゴト線路の手術痕が復活です。

　復活した手術跡は痛々しいけれど、あとは１０日後の抜糸（ばっし）を残すのみ。それがすめば、頭蓋骨骨折の手術も全（すべ）て完了です。

　一日入院がんばって、おうちに帰って来たぴいこちゃんは、ばたんきゅう。すぐに眠ってしまいました。

　やっぱり、おうちが一番安心です。

　ここには人間のパパやママ、優しいおねえちゃんの他にも、ぴいこちゃんと同じ保護猫のお兄ちゃんたちお姉ちゃんたちがいるんですもの。ぴいこちゃんは、もう、ひとりぼっちじゃありません。

　９月１６日。ぴいこちゃんは、猫のお兄ちゃんお姉ちゃんがごはんを食べている場所に行って、いっしょにごはんを食べようとしました。

　これにはOさんも、驚きです。

　だけど、やっぱり、うまくは食べられません。ぴいこちゃんはまだスプーンで口元に持っていってもらわなければ、食べることができないのです。

　でも、以前のぴいこちゃんは直接口の中に入れなければならなかったので、その時に比べればずっと前進しています。

　このまま焦（あせ）らず、ぴいこちゃんのペースで一歩づつ進んでいけば、今すぐではなくても、いつかは、みんなといっしょにごはんが食べられる日だって来るはずです。

　Oさんは、そんなぴいこちゃんの一生を家族みんなで支えて見守っていくつもりです。

　ぴいこちゃんは、すっかりOさん宅のかわいい末娘でした。