入院と退院

 緊急手術翌日の8月2日。

 両耳の間に走る線路のような手術跡は痛々しいものの、頭部のれが消えたので目も少しは開けられるようになりました。ごはんもシリンジで口に入れれば、食べる素振そぶりも見せています。


 一先ひとまず、命の危機を脱したぴいこちゃんに、Oさんはホッと胸をなでおろしました。



 毎日、Oさんは面会に行きました。

 そのたびに、ぴいこちゃんはしきりに動こうとするのですが、どうしても右に旋回してしまいます。それでも、8月4日には直線方向に少しだけ動くことができました。


 ごはんはまだシリンジから口に運ばなければなりませんが、8月6日には今までで一番たくさん食べることもできました。


 ぴいこちゃんは、ゆっくり少しづつ快復かいふくしていきました。




 8月8日。

 いよいよ退院の日です。

 みんなの待つおうちに、ぴいこちゃんは1週間ぶりに帰ってきました。

 

 でも、おうちに帰ってきたぴいこちゃんのようすを見て、Oさんはとても心配になりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る