136話 居ないと寂しくて、つい逃避型の没頭しちゃうやーつ

 ブライアン達も修行に出てしまったので、仕掛りになっていた庭の礼拝堂の仕上げをしていると、細かい仕様確認というか神様達のオーダーを持って天使のホウさんがやってきた。

 

 光臨というか散歩だなぁもうコレ。


「やっほー、ウェル君やってるねー」


 うん、散歩だね。ホウさん登場が軽い。

 

「はいー、ほとんど出来上がってるんですけどね。細かいところを直していこうと思いまして」


「ふふふー、そんなウェル君に朗報でーす。礼拝堂への希望をまとめてきたわよー」


「まとめてきた?」


「そうそう、ここの礼拝堂って神様達の間で前から話題になってたのよー。ウェル君が作ってくれた象徴の像を含めて気に入ったみたいでねー」


「なるほど、・・・ってことは、なんらかの話し合いがあったって感じですか?」


「そうなのよー集まった時に盛り上がったみたいでねー」


「なるほどです」


 うん、せっかく作るのだから神様達の意向があるなら取り入れるべきだよなぁ。

 

 って感じで、そこから数日かけて図面を引き直したり、模型を描いたり、持ち帰ってもらって修正案もらったりしながら礼拝堂を作り込んだ。

 

 途中から天使さんズが3人、いつものメンバーが入れ替わりつつ手伝ってくれたけど、まあ我が家的には通常運転ってことで。

 

 そんな訳で、意向も完璧に反映出来て無事完成。これで各神様達へのお祈りだったり、お供えだったりが楽になったと思う。

 

 うん、天使さんズも僕も頑張った。

 

 そんなこんなの超力作の礼拝堂が完成した所で、お隣のマイヤさんが近隣の貴族を呼んでお披露目をしたいと言う話を持ってきた。

 

 いやー確かに手直しをはじめてから見栄えがヤバい。

 

 神々しさ?

 荘厳な感じ?

 清浄な感じ?

 

 なんと表現していいのか分からないけど、神聖な場所ってのは間違いないオーラが建物から出ているもん。

 

 それでお披露目が必要って感じになったのかなぁ?

 

 うーん、それって結構面倒なイベントの気がするけど、いつまでも内的な付き合いばっかりってのも良くないんだろうな。

 

 ってことで、色々思うところはあるけれども受け入れた。

 

 まあ話を切り出されたのが、夕食の最中でご飯が美味しくて気分が良かったってのもあるけど笑。

 

 お披露目ついては打合せには出るけれども、家の代表として主体は父さん達とマゼッパさんにお任せするって事にして進めるようにだけお願いしておいた。

 

 そーいうのーまだわかんなーい。子供だしー大作戦ってやつだ、ウェルは悪い子なのだ。


 まあ領主の住む街、いわゆる領都に立派な礼拝堂が建っちゃったわけだし、何らかのセレモニーが必要なんだろうなってのは、大人や貴族の付き合いが分かってない僕にも薄らぼんやりとは分かる気がするちゃーする。

 

 これを機会に振り返って考えると、我が家には宗教的イベントが結構多い。

 

 1、教会の指示に従わないで結果的に教会を否定した。

 2、精巧な天使の像があるらしい。

 3、息子は天使に守られている。

 4、各国の王族と教会に「手出しを禁ずる神託」が出たらしい。

 

 うん、それぞれに理由があるけども、改めて考えるとちょっとエグイ。

 

 それでこの礼拝堂だしね。

 

 そりゃお披露目位はしないと駄目だわ。

 

 マイヤさんの、僕に気を使ってくれつつも重要な事をしっかりこなすバランス感覚を尊敬するなぁ。ブライアン曰く「ウェルはおこりんぼにゃ」って感じに捻くれ小僧だから言うのは結構難しいよなぁ。ここらも大人になっていかなきゃなぁっと脱線した。

 

 ちなみに個人的には、転生時から振り返っても、神様って存在が大きすぎて何をどう思えばいいのか、どう付き合って行けばいいのかイマイチ分かんないままで居るんだけどもね。マジわかんない。わかめわかめ。

 

 まあ、単純に不誠実だったりしなきゃいいのかな?って極論にしてしまって大雑把な割り切りをしている。深く考えて、何もしない依存するだけの妄信になっても本意じゃないないだろうしね。

 

 とりあえず、仲良くしてもらってる天使さんズからも神様達からも忠告だったり苦言だったりのマイナス方面の言葉を言われないから、そんな感じでいいかな?って思ってる。

 

 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・

 

 そして今は何をしてるかって言うと、完成した礼拝堂を天使のホウさんと歩きながら、最終的な仕上げのチェックと細かい部分の直しをしている。まあ磨いたり、窓ガラスに厚みをつけて日光の差し込み具合を調整したりと細かいところだね。

 

 細かい仕上げって、取り返しのつく手入れなら、手を入れれば入れるほど良くなることもあるしね。

 

 色々な会話をしながら手直しをしていると、話が修行中のブライアン達に及んだので掘り下げて聞いてみた。

 

 結論としては「・・・まじか」ってとこ。

 

 何がマジかって言うと、ブライアン達の修行は3年かかるとの事。

 

 今8歳だから11歳までかぁ。うん長い、僕の人生の1/3以上あるじゃんか。

 

 更に詳しく聞くと3年といっても、週に二日は帰ってくる週休二日制らしい。なんでも長いことアッチに居るのは時間の流れが違うとか何とかで良くないらしい。

 

 まあ空間違えば時間違うってのも、何となくわかる気がする。

 

 それにしても、3年かぁ。ブライアンっていま3とか4歳くらいだよね?猫の寿命的にここで3年使うのは厳しい気がするなぁ。

 

「それって寿命的にはどうなんですか?」

 

「あらー、修行が終われば上位種になるから寿命は延びるわよー」

 

 まあ、そりゃそうだよね、ってか上位種かぁ。そういえば、そんな話を転生する時のお勉強で教えてもらった気がするなぁ。

 

 猫の上位種ってなんだろう、猫又みたいに尻尾わかれちゃう?あれって妖怪とかの類なのか、それともワーキャットとか?それ猫獣人じゃん。

 

 むむむ?・・・まあいずれ分かることだし、いいか!

 

 とりあえず気にする事は、僕の諸国漫遊予定が3年後にズレ込んだってのが、現状で気にする事だと思う。・・・だよね?たぶん。

 

「なるほど、じゃあ3年位を目途に待ってればいいのかな?」

 

「そうねー、3年なんてあっという間よー。しばらく旅に出るんでしょー?その間に色々と準備しおいたら良いわよー」

 

 確かに突然、あちこちに出かけるぞーって言っても出来るもんじゃないかぁ、そうだね準備をして待ってよ。

 

 野営セットとか揃えたものの、まだ使い慣れてなかったりするしね。


 それから今後の事や、やっておくべき事なんかを雑雑とお話しながら、二人で礼拝堂の仕上げをした。

 

 うん振り返ると、なんだかんだと大きく手を入れてしまったなぁ。

 

 ・・・これなら100人位、人を呼んでも大丈夫かな。

 

 あははは。綺麗だし良く出来ていると思うからいいや!!!

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