134話 猫と冒険3(だけどベイベー)
陣地も出来て、ある程度の安全が確保出来た所で、今日の役割を決める事にした。
「簡単に今日の目標と役割を決めてしまいましょうか」
「「はーい」」「うむ」
「お願いします」
「にゃー」
「にゃにゃん(よろしくお願いしますにゃ)」
「えっと、まずはブライアン達の目標だよね。最終的な目標は2匹が、街の外に出た時に弱い魔物や動物類なら自衛、可能なら対処が出来る。これを目標にしたいと思ってるんだ。
そこをゴールだと考えると、今日は初日だし魔物と戦ってる姿を安全な位置。・・・えっとこの陣地だね。ここから見てもらって、自分で出来そうな事を考えてもらうって感じを目標にしたいかなって思ってるけど、どうかな?」
「うんうん、慎重でいいと思うわっ」
冒険娘を代表してマキスさんが同意の声を上げてくれた。まあ最初だし慎重に進めるに越したことはないよね。
「はい、これだけしっかりした陣地であれば安全だと思います」
ティアンヌさんも守りを考えてくれてOKを出してくれた。
後はブライアン達の意見かなって思って顔を向けると、一気に話したので理解が追いついてないチャコレアにブライアンが補足説明を猫語でしていた。
今更だけど、切り替えて会話できるんだね。
「にゃーにゃにゃ」
「にゃんにゃん」
猫同士の会話ってにゃーだけよな。そらそうよな、恋の季節と喧嘩は違うだろうけどさ。
それから数分くらいの間「にゃんにゃん」とした猫会議を行っている2匹を眺めながら考える。
なんというか戦闘って、基本的には大きさと力が決着に大きな影響を及ぼすと思うからサイズの小さな猫にとってはスタートラインからハンデがあると思うんだよね。そこをどうカバーするかを見極めるのが今日の最終的なゴールなんかなぁ。
ふんわりとゴールについて考えてると、ブライアン達から謎の翻訳念話システムで返答があった。
「にゃにゃ(大きくない犬くらいなら負けないにゃ。魔物はわからないから見てみるにゃ)」
「にゃにゃん(ネズミなら負けませんにゃ)」
それにしてもブライアン、犬に勝つんだ。ちょっとすごくない?
人でも犬に負けると思うんだけど・・・。
まあブライアンだし?ボス猫だし?ってことでいいか。あっボスはお母さんに引き継いだんだっけか。猫のカーストだったりヒエラルキーの事は分からないけど、エリアの移譲みたいなのができるんかねぇ。
「ブライアンって結構強いんだね。まあ魔物を狩る様子を見てもらって、自分が出来そうな範囲を想像してもらうと嬉しいかなって感じでいきますか、チャコレアもいいかな?」
「にゃん(わかったにゃ)」
「にゃん(わかりましたにゃ)」
「それじゃ、私たちは小さめの動物や魔物を連れて来るわねっ」
「あっお願いしまーす」
冒険3人娘が魔物の釣りを担当してくれるらしいのでお任せしちゃおう。ありがたやー、あとでデザートでも作ってお礼しよ。
待ち時間の間に少しだけブライアンとチャコレアと話をする。
人間なんかより動物達の方が理解している気がするけど、魔物を狩るという事は、突き詰めれば命の奪い合いであるから、可能な限り無駄にせず食料や素材として活用する事とかを偉そうに講釈を垂れておいた。
色々な意味で「いのちだいじに」なのだ。
・・・
・・
・
20分くらいして、冒険娘達が動物と魔物を追い込んで来てくれて狩りの練習が始まった。
小さ目な動物のネズミやウサギから始まって中型の犬や鳥、そして魔物を狩って行った。
お手本的には決定打を3パターンに絞って打撃、斬撃、魔法を実演って感じ。
打撃は生き物の可動部位を停止させて頭部を狙って終わり。
斬撃は致命傷になる頸動脈や大動脈がありそうな部分を狙ってから首を落として終わり。
魔法は燃やす冷やすを主体にして終わり。
各攻撃手段の特徴を生かしつつ、数時間かけて討伐の仕方や方法について説明をした。
戦闘の流れだったり、攻撃手段を説明する為に残酷な倒し方をした部分もあるので、細かくは振り返らないでおこう。
刺激が強すぎるのは心に歪んだ癖を作るし、中毒にもなると思うしね。
まあ、内容的には冒険娘達やティアンヌさんも「なるほどっ」「素晴らしいですね」とかの感想をくれたので、戦闘のお作法的に間違えた事はしてないと思う。
後はブライアン達の感想を聞いて見て、出来そうな事を整理なんだけど、まあ帰ってからゆっくりでもいいと思うので、今日はサクッと撤収することにした。
「これで一通りは終わりかなぁ、あとは数日じっくり考えてみてからかな?まっ無理をするところじゃないからさ」
「にゃー」
「にゃん(むずかしいですにゃ)」
「はーいっ」
「うむ」
「・・・はい」
「わかりました」
ブライアンの返事も猫語だったし思う所があるんだろう。あたり血まみれだしね(苦笑)
・・・とりあえず今日はここまでにしようと思う。
やっぱこう、一方的に、命を奪う、ってのはなぁ。慣れないなぁ。・・・と思う。襲ってくる魔物は平気なんだけど、積極的に襲うってのはなぁ。うーん、自分が間違えているのは分かるけど慣れない。うん、慣れない。
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※この話は、内容は変わりませんが描写部分を後々修正するかもしれません。
基本はウェル君目線で語られてて、本人の心が萎えてたりすると描写が粗くなるのを表現したかったのですが、執筆ぢから不足で描き切れてないなと感じてます。後々修正するかもです。
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