116話 ちょっとテンション高くて魔法無双してるVergilius氏
っとっと遊ぶ前に、父さんとお昼の相談か。温めなおしとか焼き物に鉄板とかいるよね。
「父さーん、お昼の用意のお手伝いに来たよ」
「ああ、というかお前アレはなんだ」
「んーと、雨降ってきたように退避できる場所とお手洗いだよ。どっちも無いと困るじゃん」
「まあ、たしかにそうだが・・・そのなんだ驚いたぞ」
んー?なんかあちこちで色々な事してるから気にする程じゃないと思うんだけど、ああそうか。父さんは宿でも普段調理場だったし、我が家に来ても料理してて直接大きなものを動かしてる姿を見たこと無いのか。猫屋敷だって大工さんいれてたわけだし。
「あはは、魔法が使えるって便利だよねー」
「普通の魔法は火水土風を起こす程度なんだがな、まあ気を付けて使うんだぞ」
「はーい、それでさっきとりあえず運んだものは出したけど、他に何かいる?」
「そうだな火を起こす竈と、あとは食べ物がダメにならない様に冷やせる場所が欲しいな」
「はーい、了解。じゃあ作っておくね」
「ん、任せた」
えっと竈かぁ。岩で組んで土で固めればいいか、スープ用と焼き物用で3基くらいあればいいのかな。スープ用は大鍋で煮るだろうから大き目で焼き物はフライパンを二つおければいいでしょ。
最初に地面を平らに均さないと調理しづらいよねぇ。あんまし河原をいじくると水が染みてきそうだな小さい石コロは土に埋めるように、上からプレスだな。時代はプレス。田舎でプレスリー♪などと訳わかんない歌を鼻歌で歌いながらプレスプレスプレス6~8畳くらいの平らなスペースを確保。
遠くから母さんの「自重しないわねぇ」が聞こえるが、僕を見てるより滝とか自然見てた方が楽しいよ!きっとたぶん。メイビー。
他の場所からは「野営が楽になるわよねアレ」「本当にすさまじい才能だな」「ウェル君は一家に一台必要」とか聞こえるが、うん後で一緒に遠征狩りに行こうね。そん時は岩くり抜いてお風呂作るね。
とりあえず整地は終わったので、 そこに適当な石を運んで「ずもももって」土魔法で固めればおっけかなぁ。適当な石かぁ、河原だから沢山あるなぁ。ここはポカーンとこちらを見てるセレネ姉さんとリア殿下も巻き込もうかな。せっかくだしね。なにがせっかくは分からないけど。
「リア殿下ぁー姉さんーー、ちょっとこっちにきてお手伝いしなーい?」
こういうのは参加するのが楽しいのよね。休暇の想い出だったり初の家族旅行の思い出だったりになるよね。
「なになにー」 「うかがいますわー」
川岸で遊んでた位置で立ち停まってた位置から、セレネ姉さんとリア殿下が歩いて来る。ほどよい距離感で近衛さん達も付いて来る。1人一生懸命メモしてる人がいるなぁ。なんのメモだろ。
「それでね、お昼ご飯を作るのに竈を作ろうと思うんだよね」
「うんうん?」「確かに必要?ですわね」
「なのでリア殿下と姉さんにはこの辺からちょっとだけ大き目の石を集めて欲しいんだ。手で持てるくらいのやつでいいからいっぱい取って来てもらえる?」
「うん!竈用の石だねー。どんな形でもいい?」
「もちろん、形はある程度整えるから平気だよー。あっあと石運ぶときに怪我しないようにね。近衛さんもお手数ですけど怪我しない様にお手伝いお願いします」
「わかりましたわ」「はい、承りました」
リア殿下とお付きの近衛さんかな?、まあ側にいた近衛さんも快く返事をしてくれたのでお任せして僕は鉄板をアイテムボックスから出して焼き物の用意だけをしておく。えっと木は乾燥させておくんだよねっと。雑に魔法を使いながら火力としてくべる木を用意しておく。
後はセレネ姉さんたちが来るまでの間に冷蔵出来る場所つくっておくかー。うーんうーん、取り合えずでいいか。
ちょっと離れた位置にある大きな石を切り出して2ドアの冷蔵庫みたいに中をくり抜いてっと。上に氷入れて布でもかけておけば冷気が下がって冷えたままでしょ。むっちゃワイルドな冷蔵庫だなあ。
ゴリゴリギャリギャリと石を削ったりして、石冷蔵庫を作ってるうちに竈用の石が集まったみたいなので、セレネ姉さんたちの所に向かって竈づくりをする。これも取って来てもらった石をレンガみたいに切り出していく。
「リア殿下、姉さん。この四角い石を積み上げて竈にしてもらっていい?大きな石がしたで小さい石は上の方でー」
「ウェル君、すごいね」「こんな魔法の使い方は見た事ありませんわ」
「んー、ほらここは知ってる人しか居ないし。1人で居ると結構こんな感じで魔法使ってるよ」
セレネ姉さん達と雑談しながら、竈をつくっていく。3基だから結構手間だね。まあ十数人位人も居るし竈は多い方がいいよねって。
3人と近衛さん2人でワイワイと竈を組み上げる。途中で近衛さんがこれが出来れば遠征が楽とか言ってたので
近衛さんも演習で外に出たりするんだなって使うのか使わないのか分からない知識を手に入れた。
そんなこんなで、とりあえず出来たので父さんへ報告って思ったら。真後ろで見学してた。
「ウェル、お前はすごいな。本当に・・・」
「へへへ、褒めても何も出ないよー」
「そういうことじゃないんだがな・・・まあいいか、これで料理がはじめられるな食材を出してもらっていいか?」
「はーい、近くに置いておくね。あとお肉とか熱でダメになりそうなやつとかは、あそこの石の中にいれておくからねー」
父さんに伝えて、パパッとしまっていく。そしてデザート予定に持ってきたプリンも冷凍側に入れておこう。これは争奪戦が起きないように20個近くもってきたんだよね。・・・入りきるかなぁ。
よし、お昼までにやる事終わり!なんだかんだと環境整備に時間かけたから僕も遊ぶぞ!!
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