92話 徐々にお家に馴染もうねの巻

 マイヤさん所から来ている兼任メイドさんは、あくまで屋敷の管理をするもの。

 

 そう思っていたのですが、そうじゃないようです。

 

 家に戻り、エントランスホールに着くとブラインズメイドさんから食事とお風呂の用意が出来ていると伝えられた。

 

 あれ?自分で作る気でいたんだけど作ってくれるのね。

 

 んで、お風呂まで用意してくれていると完璧じゃん。らくちんじゃん。

 

 こっちの屋敷の分までやるの大変じゃない?と問いかけると決まった時間になるとマイヤさんの所からメイド軍団が来て一気に仕事を片づけるそうだ。

 

 一つの屋敷を管理するのも二つの屋敷を管理するのも大きく違いは無いとの事。

 

 そんなもんなんかなぁ。まあいいか、せっかくだからご厚意に甘えときましょう。

 

 とりあえず食堂に移動して食事を取ることにした、さすがに厨房から給仕が運んでくる形式では無かったけど、充分おいしかった。

 

 メニューはパンとスープと肉料理、これなら少し時間たっても平気だもんね。

 

 でも、さすがに申し訳ないし、色々作ったりもしたいから明日からは自炊するよってマゼッパさんに伝えておいた。

 

 そういえばマゼッパさん達は食事どうしてんだろう?と思って聞いてみたら。

 

 「マイヤ様にお仕えしていた時と同じように、交代制で取る予定です」

 

 ふむふむ、なんだか結構手間をかけている気がするなぁ。

 

 これは早めの雇用だったりを考えないとダメだね。

 

 とりあえず、僕の食事の事は考えなくて良いよってのだけを決定としますか。

 

 その後、マゼッパさんやブライアンズメイドさんの食事時間を作る為に、一階の執務室っぽい部屋でエントランスに配置する像のイメージを書き起こす事を伝えて執務室へ移動した。

 

 慣れないシフトだったり、僕に付き添ったりで忙しかっただろうから、ゆっくり食事してくださいなっと。

 

 久しぶりに1人になった気がするとか、どうでもいい事を考えながらアイテムボックスから画材道具一式を出してエントランスの絵を描き始める。

 

 エントランスの構造がまだ頭に入っていないので、エントランスと書きかけの絵を何度か往復して像が無い状態での絵をなんとか完成させた。

 

 あとは像と台座なのだけど、これは別に絵を描いて配置する場所を考えてみようかなって思う。

 

 あれだ、福笑いみたいな感じで像を移動しながら配置考える感じ。

 

 確かに豪華な屋敷で装飾はしっかりしているんだけど、像を置いたりを初めから考えられた場所では無いからね。

 

 エントランス入ってチグハグな絵面が広がって、違和感のある場所に像が配置されてたりってのは美しく無いと思うの。

 

 個人的にはエントランスに大型ショッピングモールみたいに泉欲しいって感じだしー。

 

 とか、アホな事を考えながら天使さんズの像と今後作っていく神像の外郭イメージと台座とかのアイコンと言うかオブジェクトをどんどん作っていく。

 

 アンシャル様(統括神)、ギビル様(火の神)、女神ニンフルサグ様(土の神)、ニヌルタ様(水の神)、エンリル様(風の神)、女神ナンナル様(月の神)、女神イナンナ様(愛と金星の女神)、女神エレシュキガル様(冥界の女神)の8柱であってたかな、転生してからの頭脳スペックやべーからあってるでしょ。

 

 とりあえず、不定形の人型っぽいものを作って神像予定とだけ書かせてもらおう。

 

 例え絵であっても神様の名前を個別につけるのは、ちょっと不敬かなと思うしね。

 

 あとで天使さんズに確認して、御姿についての相談もさせてもらおう。

 

 もう僕の知ってる範囲だと、この世界の宗教家はクソなので正確な姿とかは期待できないし下手すると違うものを御姿として扱ってる可能性すらありそうなので、天使さんズにお願いしたいのです。

 

 もう宗教関係者はコリゴリだよトホホ。って感じで黒い背景の右下に空いてる丸い穴から顔出しておきたい気分なのだ。

 

 思考にくだらないコマーシャルを挟みながら絵を描いていると、食事と休憩を終えたらしいマゼッパさんがやってきた。

 

 「休憩と食事を終えました。今日はこれからいかがいたしますか?」

 

 「とりあえず、この絵がおわったらお風呂に入って後は就寝かなぁ」

 

 「わかりました。ちなみにそちらの絵は・・・」

 

 ああっそうだよね、エントランスに像飾るとか一切言ってなかったもんね。

 

 「エントランスホールに宿屋に置いてあった天使像を置こうと思って、それの配置図を描いてる感じかな」

 

 「本当に絵が上手でいらっしゃいますね、わかりました天使様の像はエントランスホールに配置するのですね」

 

 「そうだねー、庭先に神殿のようなものを作るか迷ったけど外だと管理が大変かなって思って」

 

 ・・・うーん、それにしてもマゼッパさんが堅い。たぶんメイドとしての職務に従うと、堅い感じになるのだろうけど、僕は別に貴族でもなんでもないんだけどねぇ。

 

 まあ仕事の仕方や考え方は人それぞれだし、やりやすいようにやってもらえばいいか。あくまでもマイヤさんとこのメイドなわけだし過干渉して踏み込む所じゃないね。

 

 マゼッパさんはそのままお茶を入れてくれてるらしいので、絵の残り部分を描き切ってしまう事にした。

 

 その後、お茶をいただきながらエントランスホールの絵と像のオブジェクトを作り上げた。

 

 後は配置を考えるだけだから、今日はこれくらいにしてお風呂入って寝るとしますか。

 

 「マゼッパさん、絵の方が終わったのでお風呂に入って今日はお休みしたいと思います」

 

 「はい、わかりました。それではお風呂のご用意をしますのでお待ちください」

 

 それから、絵とオブジェクトをいじって配置などを考えていると用意が出来たと呼びに来たので、そのままお風呂へ行って休むことにした。

 

 お風呂は下見の時もみたけど、5-6人くらいが入れる浴槽になっていた。マゼッパさんが介添えをしようとしたので、今日ははじめてなので一人で入りたいと我儘を言って遠慮してもらった。

 

 お風呂自体も外で薪を炊いてボイラー構造だから人手いるでしょ?とダメ押しをしたらすんなり引き下がってくれた。

 

 ふふふ、ハーレムアニメ的な展開を求めるには「まだ早い」年頃なのさっ。

 

 お風呂から上がったら、浴室近くで控えていたマゼッパさんが来て2階にある個室へと案内してくれた。

 

 きっと前に住んでた貴族の中でも偉い人が止まっていたんだろう部屋へと案内されたので、多分ここが主の部屋なんだろうということで、ここで寝泊りすることにした。

 

 寝ている最中の門や屋敷の管理はマイヤさんの家の警備と一緒に巡回することになっているらしいので負担の無いように取り回ししてくださいと伝えておいた。

 

 いままでとは環境が違うので中々寝付けないかなぁ、なんて思いながら床についたのだけれども、家に興奮したり色々な話や決め事をしたので結構疲れていたらしく眠気がすぐに来たので、眠気に身を委ねて寝る事にした。

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