90話 お家ゲットだぜぇ
違う違うと僕の心の雅○さんが歌い出す。
そうじゃそうじゃない。
なんで頭に音楽が流れてるかって言うと、、、
ほら家の手配をお願いしたじゃないですか家の手配。
マイヤさん領主だし書類周りがスムーズになるかな?別段家には拘りないし、溜まってるらしい金銭支払いの清算も出来て丁度いいかなって思ってたんだけど。
この豪邸と立地はなんだろう。
うん、そのなんだ予想はしてなかったけど予想外だよ。
家の手配から数週間がたって準備が出来ましたって案内されたのは、マイヤさん家のお隣。
んーんぅ?まちがえたかなぁって偽りの天才がカットインする場面かな?
ここってさ直接関わってはいなかったけど、どっかの貴族さんが住んでたよね。何度かマイヤさんの家に来た時に門番してた人に会釈した記憶あるもん。
その門番さんも、すでに別の人になっていて見覚えのある人。
うん、どうみてもティアンヌさんよね?
鎧を着て槍を持って、ビシッとした姿勢のまま動かないティアンヌさん。
当然の顔をして脇をすり抜けていくマイヤさんに案内されて、正面の玄関をあけるとマゼッパさんとブライアンを抱いたメイドさんが迎えてくれた。
まあ、ここまで来ればマゼッパさん居るよね。うんうんウェル君知ってた!
そんで、もう一人は王都からブライアン追いかけて来た人よね。
「「おかえりなさいませ、ウェルギリウス様」」
「にゃー(ウェルおそいにゃ)」
いや、そうなん?そうじゃないよね?
貴女いっつもパンツスーツっぽい執事服じゃん?
ひらひらのメイド服きちゃうの?
「屋敷の管理に必要な人の手配もしておきましたよ」
と間髪入れずにマイヤさんに笑顔で言われた、ぐぬぬぬ。返す言葉が見つからない。
まあ、僕自身がさ。子供ってのもあってさ、好意的に思われてるけど大きな変化は起きないでしょうと、人間関係を甘くみていたってのはあったけどさ。
まさかメイドにジョブチェンジをしてしまうとは。
これマイヤさんの手配だからマイヤさん的にも問題ないのよねえ?
一応、言葉に出して聞いておくかなぁ。
「マイヤさん、まずはお家の手配ありがとうございます」
「いいえーどういたしまして、驚いたでしょ」
マイヤさんにっこにこである。
「はい、場所もそしてお2人にも驚きました。でもいいんですか?マイヤさんの従者だったり騎士だったりするのではないですか?」
「ふふふ、2人の希望もあってのことだし。それに隣同士で近い事もあって兼任って形かしらね」
うん、兼任って上手い言い回しだ。
兼任で給料が増えずに仕事だけが増えるなんて事は良く聞いた話だったので、うちでは相応の報酬を出していくことにしよう。
「それで、もう一人のメイドさんなんですが彼女は?」
「ええ、彼女の場合はブライアン君と一緒に居たいそうよ」
ってかブライアンえらく気に入られてんなぁ。魅惑の毛並みとかいうスキルの所為?
「ふふふ、彼女はね。母方に猫型の獣人の血が入ってるのよ」
なるほど、なのかな?種族が違う配合するとどっちかの特性100%で生まれるって話しを転生前のホウさん講習で教わった気がするけど、そっか性向には出たりすることもあるもんなのか。
「そうなんですね、まあブライアンが女たらしってことで笑」
「にゃー(ウェルに言われたくないにゃ)」
「ブライアンはこっちに住む?」
「にゃーにゃにゃー(そうするにゃ、あっちはうるさいにゃ)」
「まあ、改築工事してるもんね。でも姉さんが寂しがるから時々会いに行こうね」
「にゃーう(セレには話してあるにゃ、たまに泊りに行く約束してるにゃ)」
「うん、たまに顔出そうね」
「にゃー(にゃー)」
ブライアンと軽く会話し終わって、あらためて家の中を見渡してみるんだけど、まあ広いよね。
聞くところによると、貴族さんってのは街毎に別宅というか別荘みたいなものを持ってるらしくて、ここも他領の貴族さんの別荘だったらしい。
マイヤさんと懇意にしてるので隣合せだったみたいで、今回の話も相談ベースで持ち掛けたら快く売却してくれたとの事。
まあ、いわくや禍根が無ければ良いかぁ、違うと言っても仕方ないよね。
よし、この話を受け入れた!
それにしても大きい家になっちゃったなぁ。これ3人が兼任で来てくれるけど、明らかに人手が足りないよね。
今回用意してもらった家は、元貴族の別荘なだけあって中々広い。
ちょっと田舎の分校くらいのサイズはあるんじゃなかろうか、それに庭つきだ。
うーん、これは人の手配云々も考えなきゃダメっぽいね。
「マイヤさん、この広さだと維持するのに人手って結構要りますよね?」
「それなんだけどね、基本的に屋敷のお掃除とかはウチから出そうと思うんだけど、どうかしら?」
んー甘えちゃっていいのかな?後は、各種道具類や家具は出来る限り便利にして近代化?こっちだと未来化なのかな?しちゃうけど大丈夫かなぁ。
「結構、自由に暮らそうと思っているんですけど。そこら辺の管理は大丈夫・・・ですよね」
「もちろん、ウェル君のお家なので自由に過ごしていいわよ。ただウチの庭とウェル君のお家の庭を繋げてもらえると助かるわ」
「それは、全然問題ないです。今気にしてるのは、以前お見せした生活道具本とかの道具をガンガン作って使うので、そこだけメイドさん達が気を付けてくれれば大丈夫だと思います」
「そうね、そこは徹底しておくわね」
その後、マイヤさんとマッゼッパさんの案内で屋敷内を一通りみて回った。
部屋の内容というか構造的に、一階はエントランスホール、談話室、執務室、調理室、倉庫が2部屋、書庫っぽい倉庫が1部屋、メイドさんの待機室、浴室となっていて、2階はすべて居住スペースというか私室群っていえばいいのかな?まあ各個室になっていた。
こりゃ一族で住めますわー。って貴族の住む所だから、そりゃそうか。
その後、談話室へ移動して今回の代金等の清算をしてマイヤさんからの引き渡しは完了となった。
代金の清算をしたんだけど、結果的に屋敷を購入してもお釣りが出る金額だったらしく何かお金貰ったわーいっぱい貰ったわ。
正しい処理なのかと確認をしたんだけど、王室から僕が値引きしても適正価格での取引きをしなさいとの通達があったそうだ。その為に絵だの回復だの諸々を鑑定とか査定して金額を出したそうだ。
もちろん価格是正の指導した王室からの援助もあったらしい、どっかの国みたいに勧告はするけど補助は出さないってわけじゃないところが偉いよね。
まあ、その他実務的なやりとりを経て、元貴族の屋敷ゲットだぜ!!
マイヤさんは引き渡し完了後の残務整理をするとのことでお家に戻って行った。
メイドさん達は、しばらくは正面の門を経由して数人が出入りをするらしい、筆頭はマゼッパさんがしばらく代行するとのこと。
僕の方で別途雇用して使用人を構成したい時は相談して欲しいと言われたので了承しておいた。
とりあえずティアンヌさんマゼッパさん、そしてまだ名前わかんないけどブライアンのメイドさんはマイヤさんの所で寝泊りをするらしいので、取り急ぎ対応する事は無いように配慮してもらった。
今日は屋敷内を歩いて設備の把握に努める事にしよう。
これだけ大きい家だとたしかに使用人いるけどね、自分の所有物なのに自分が把握しきれて無い物の維持管理を誰かにお願いするってのも、いまいち座りが悪いという庶民根性なのだ。
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