77話 1人上手、あれ?王都に居る意味って・・・
王都でやる事が終わってしまったので、後はマイヤさん家のニートとして借りている部屋の警備に勤しんだ。
もちろんお土産用の服は、すでにデザイン画と仮縫製した布を渡して、依頼してあるので届くのを待つだけだ。
ニートとして大活躍している最中に頼まれた事は、以前やった事ばかりなので特別ワクワクする事もなく淡々と終わらせた。もちろん必要最低限の愛想だけは保ったけどね。
お茶会の数日後に、遊びに来た王妃様の肖像画を書いたら絵を気に入られて、その流れで王族肖像画を4枚と集合で1枚書いた程度が、大きな所だったと思う。後忘れてたロトルさんへのお土産としてアクセサリを大量に用意したりもしたか。
残りの時間は、ひたすらブライアンと遊んだり、説得してたりした。
よく考えたら、成人してからブライアンと旅に行くってアチコチで公言してるけど。
全然合意取って無かったのだ。 まあ結果的にOKは貰ったんだけどね。
そんなブライアンも最近ではマイヤ邸に慣れたらしく、あちこちを自由に散歩してる。今もメイドさんをお供に付けてどっかに行ってしまった。
猫とメイドの散歩とかとか、ちょっと可愛い構図だと思う。
そこにーウェルくんはーいません、泣いてなんかいません。
てなわけで、僕は王都の中心で暇を叫ぶ子供だ。
ぬーん。ずーん。とかしてもはじまらないので、こんな時は余計な事をせずに、いざ行動する時の準備とかしときゃいいでしょ。と開き直ってみた。
小人閑居して不善をなすと昔の偉い人は言ってた気がする。
さてさて現状は、自分の能力に関する事はほとんど把握出来たし行使も出来る。
ってなってくると今後は生活を潤して行くんだろうな。
生活を潤すかぁ、言葉が曖昧だな。潤すってなんだろ、衣食住足りて快適な生活に心のゆとりって事かな?この世界はいちいち不便だ。
そりゃ世界が違うんだから当然だし、どっちに良し悪しあるかは分からないけど、便利さに慣れてしまった僕としては時々ストレスを感じている。
21世紀の人間が、駅の改札で切符を手渡しでハサミを入れてもらわないと、駅から出れないみたいな感覚だと思う。
なんにせよ世界は大分不便が多いからなあ、その不便をとりあげて、解消方法を考えていくかぁ。
まずは電気が無い。こいつは大きいぜって思うけど、代替として魔法あるからいいや。
次に道具が無い。こいつだ、こいつ!!
工業と呼ばれるものが、鍛冶建築の閉鎖した世界で終わっている。故に道具が発達しない、決まった物を作る為に決まった道具だけ使ってる。
ヤットコは同じ仕組みのラジオペンチにはならないって事。これが不便さの一因なんだと思う。
まあ作って流通させる気なんて無いので、自分で必要な分だけしか作らないんだけどね。
とりあえず欲しいのは、ラジペン、鋏各種、槌じゃなく玄翁、万力、画鋲、ネジ、ネジ穴、ボルトナット。・・・そして悩むけどバネ。これらを複数のサイズで持つだけで、生活がグッと向上する気がする。
よし思いついたのは絵にしておこう。後で錬金でニョロる時に楽だ。
そんで、これも料理本と同じように冊子にまとめておこう、生活道具本だね。
工具の仕様と使い方、道具と部品の仕様と使い方だな。
そんで、この色々な便利グッズを作っていく上で、必須になるのが合金だよね。
特にステンレスの開発って必須な気がする。小さな金属部分は出来るだけ、錆びないものを使っていきたい。都度金銀を使うのも危ないし脆い。
僕はアーク溶接の免許を持っていたので、少しだけステンレスの知識があるのだ430とか言うのが、確か錆びにくいやつだ。
だがな、なにを以てして430かは知らない。うははは。まあ鉄とクロムの合金だった筈だ。あとは配合率を色々試してみるしか無い。
クロム自体は、絵を描くときの赤色とかに入ってるのを見かけたから、きっと鉱物として採取されているんだと思う。おそらく宝石の入った石の
そこから錬金でクロムだけ抜き取ればいい、別段人体に有害じゃなかったはず。・・・多分。
よし、これはコランダムを購入か採取してクロム収集というのが当面の作業だな。
それを純クロムにして鉄と配合してステンを生産していきまっしょ。
・・・じゃあ思いつく限りステンで作る工具と道具を本にまとめていこう。そのまま冊子にまとめて、束にして最終的に本にする。
・・・なんてことを数日かけてやっていこう、これきっと終わらない作業に近いし。良い暇つぶしだ。
王都に来たけど、王宮とマイヤ邸以外は歩いてないとか。斬新な王都旅行なのだ。うひひひ。
こいつもヤバい本だから出来上がったら、マイヤさんに検閲してもらって秘蔵の書にしておこう。
あっ、でもヴァルカンさんには渡しておこうかな。
・・・やっぱバネの応用が記載量が多い!!!見出しだけでゲーが出る。秤から衝撃吸収、小さな発射装置まであるんだものーーーものものおぉおお。
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