2話 天使と歌う幸せの未来

 さて、天使さん達と転生処理だ。どうなっていくんだろうね。


 それはいいとしても、さっきからこの宮殿に居ると自我が薄れていく気がする。

 

 自分が私だったのか僕だったのかすら、もう曖昧でわからなくなってきた。


 10代だったのか、40代だったのか、80代だったのか。


 知識と経験は残っているような気がする。でもそれを決定づける自信がない、なんとなく怖いけど大丈夫なのかな。


「血と肉と拍動が、生命と存在を作り上げていた時とは在りようが違います。問題はないですよ」


 天使さんズの中でも、お姉さんな天使さんが答えてくれた。なるほど、個も老いも無い世界ってことか、いいや私が個を持つ程に優れた存在じゃないってことでもあるな。まあ大丈夫ならいいや、保護とかしてもらってるっぽいし。


「では、転生処理をはじめましょうか」


 っとその前に、天使さんにお声がけする際に、呼び分けが出来ません。お名前が無いとアンシャル様がおっしゃっていたので、仮の呼び方を許してもらえますか?


「はい、転生処理のご相談も楽になりますので「「「是非に」」」


 おおう!是非にで綺麗にハモッたな、なんか名前付けに意味あったら失礼にあたりそうだなぁ。あと、ほらよくテイマー系の転生者で神を天使をテイミングで大騒動とかあるよね。んー、ここは直接の名づけを避けて形容するような名称にしておけばいいか、・・・じゃあ案だしますね。


「「「はいっお願いします!!!」」」


 最初に声をかけてもらったお姉さん天使には「癒しと包容の天使」さん、もうね永遠の17歳のような美声と、女性らしさが際立つお姿で秒で決まりですよ。


愛称で呼ぶならホウさん。


「ありがとうございますっ」フワァアアアアア

「ホウとお呼びくださいね」


 ああああれ?なんか暖かいオレンジの光が、お姉さん天使に収束してません?んんん、なんか服がグリーンのイブニングドレスになってますよ、てか採用?


「次は私ですね!!!」


 圧つよ!混乱してる最中にねじ込みに来た感すごい。いいのかなこれ事件おこってなーい?


「「いいんですよー!!」」


 残った2人が食い気味に来たね、もういいか、いいよね。きっとアンシャル様も全知で認識されてるでしょうし、癒しと包容の天使さんが満足気味な顔でニコニコしてるし、よい結果は一個出ていると思おう。きっとこれは事件じゃない、悪い事じゃない。どうにでもなーれ回路に電力は流れていない!!


 で、次の天使さんはあれかぁピシッとしてヴァルキュリアの様ですねぇ「凛々しき慈悲の天使」さんでどうでしょう?


愛称で呼ぶならリリさん。


「ありがとうございます!」シュバァアアアアア

「リリとお呼びくださいっ」ズサッ


 はははは、青く鋭い光が凛々しい天使さんに収束してますねーこれも採用でいいのかな、えっとランス持った姫騎士になりましたね。ピンクゴールドの鎧かっこいい。


ってか、片膝立てて頭を下げて不動の構え、それ騎士叙爵のポーズだからやめてお願い。


 最後は、アレだ。見た目100%で、泣きボクロに溢れる色気「愛と魅惑の天使」さんでどうでしょう?


 愛称で呼ぶならアミさん。


「ありがとぉー」シュルッルルルル

「アミって呼んでねぇー」


 なんかどっかから羽衣飛んできたわっ!うぉう隠れてるんだけど、肌面積むっちゃ多い!下から竜巻のように巻きあがった羽衣を体に纏ってる。もうこれはセクシーと言わざる得ない位にセクシーとしか表現できないね。冷静に賢い風味満載にセクシー構文で語るほどに魅惑的です。


 これやっちゃったんだろうなぁ。形容する名を語って、愛称まで付けたよ。それもう名づけじゃん!なんなら名づけより濃いじゃん!


「うふふ、いいんですよ~」

「忠誠を捧げます!」

「すっごい濃かったわぁ~」


 2番と3番さん違いますよー。転生までのお付き合いだし、濃いのは出てませんよー。ふぅ、なんかこれ何時までも転生できなくなりそうだわ、お姉さん天使ことホウさんの大人女子力に期待して進めていかないと何か知らんけど不味いわ。


 僕は自我曖昧でハイテンション、天使さんズは名前付いてハイテンションってもうカオスすぎる。もっとヤバい事が起こる前に、転生処理いこ、転生処理、なにするか知らんけど!!!


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