「注文の多い料理店」21.02.26
タイトル「注文の多い料理店」
著者 宮沢賢治
「当店は注文の多い料理店ですから、どうぞご了承ください」
いや、それをきいて客に対して注文というか要求が多い料理店とは思わないだろう。
うまいやり方だ。猫達もすばらしい。よく頭を使ったものである。
しかし、だからといって、一体なぜ服を脱ぎ捨てクリームを塗るまで「そうだそうだ」「そうに違いない」とか言っていられるのだか。
アホなのか。
阿呆だったのだろうな。
序盤に案内人の猟師がいなくなったり、犬が死んだり……どこから化け猫に化かされていたのかわからないが、犬が無事でよかった。と思ったりしている今だ。
ところでこの作品。実はまともに読んだのは初めてだ。
これだけ有名だというのに、教科書に乗っていなかったからだろうか。なんにしても、どういう話か実は全く知らずに読んだ。
結果、おどろおどろしい展開になるのは予想できたが、店に入った時点ではどういうことが起きる店なのかわからなかった。
しかし2つめの扉をくぐったあたりだろうか、そのころには、すでにこれは食べられるのだろうなこの二人は。とわかる。
わかりながら読んでいる。
だから余計ふたりが阿呆に見えるのだけど、そこはおいておいて、つまりこの物語は伏線を貼りまくっているようで序盤でなんとなく流れがわかってしまうのである。
伏線がわかると面白みがないとかいうが、この物語に限ってはそんなことはない。
なぜなら、どんどん先へ読ませる読ませる。この力がすごいのだ。とにかく読みすすめてしまう。なぜだろう。展開はわかっているのに。
そうだ。ラスト食べられそうになるまではわかるのに、その後どうなるかはわからないのだ。
なるほど。しかもそこに死んだはずの犬が出てくることで、相手の正体がわかるというのだから面白い。
ある程度流れがわかっていても、結論がわからない話は読む気になるということだろうか。
これはぜひ、作品に使いたいものだ。
ところで、この作品では、繰り返しの言葉後とても多く使われる。
がたがたがた。なんて繰り返し出てくる。
昨今の小説だとでは、
・擬音が嫌われる。
・視点は一定でなければいけない。
・伏線はバレてはいけない。
・伏線はある程度わかるように書かないと、わからないと突っ込まれる。
・情景が見えない
・心情描写が少ない
等々エトセトラエトセトラ。
数えればきりがないほど突っ込まれる要素があり、これに注意して書かないと行けない気配がある。なんとまあ、笑えてくる。
なぜって昔の作品には、それらがない。
おかしい表現も普通に使ってくる。
びっくりだ。
なのに面白い。
読ませる力がある。
この力はなんだろうか。
ぶんがくをよんでいれば、そこにたどり着けるだろうか。
ああ。いいなぁ。
もっと読もう。
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