「走れメロス」21.02.24

タイトル 「走れメロス」

著者 太宰治 


 メロスは激怒した。

 

 この言葉の意味を、この言葉の覚悟を、この言葉の強い力を感じる。

 最初の一文でこうなのだからこの物語はすばらしい。

 もっと続きが読みたかった。もっともっと。私は今、物語をよんですぐに、たまらず筆を取ったのだ。そう言える。そう断言できる。私はこの物語の虜に、はたして初めて読んだあの学生時代から数年経った今、その虜になってしまったのだと私は思う。


 勢いでこんなことをかいてしまった。

 恥ずかしいやら、そんな気持ちだ。

 これを読むに至ったのは、応援コメントでリクエスト頂いたからだ。

 ありがとうございます。


 さて、これを読んだのは随分と昔のことだったと思う。学生のときだ。テストの問題をまた思い出した。そして今でもその答えがわからぬことに恥じた。しかたない。私は昔から変わらずわからないものはわからないのだろうな。

 そんなことはどうでもいいか。


 ともかくとても懐かしい物語だ。

 こんなにも勢いよく、こんなにものめり込むような物語だっただろうか。教科書に載っている時はそんなふうには思わなかった気がするが。

 ともかくメロスに感情移入せざるを得ない。彼の前にはさまざまな困難があり、一度はあきらめようとすらした男だ。それでも走り続けた彼は天晴れと言わざるを得ないだろう。

 ああ、何を書いているのだろう。勢いとは怖いものだ。


 セリヌンティウスとの友情を見事だ。

 ラスト、互いに殴り合うシーン。あれはまさに少年漫画ではないだろうか。そう思ったぞ私は。

 それほど胸が熱くなる展開だ。

 そしてそれに王が本当の信頼を知るのもまた素晴らしい。



 そして読んで一言、今言いたいことは


 メロスよ。いつ全裸になった。


 いや、本当にこれについては気になる。いつのまにか全裸になってしまっていた男。勇者らしい最後のようなきもするが、しかしやはりただの一人の田舎の男だったのだなと、顔をあかくして恥じる彼に微笑んでしまった。




 さて、もうひとつ思ったことがある。

 私の今の作品「魔術師ロイスの受難」

 似ているなぁと。思った。

 いや、似てはいない。走り続けるわけでもなく、逃げ続ける男の話だ。

 そして信頼や友情のためではなく、自分のためにしか生きられない王のような男が主人公だ。

 しかしテーマが似ている。友情と、信頼と、少しの邪気と、それを超える勇気と。すばらしい物語だ。

 ああ、私の物語のことではなく、メロスのことだけれど。


 これを読んで小説をかくと良いものができそうなきがする。

 なんて、仕事の合間の休憩時間に読んで、感想を書いている。


 

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