第4話 汐見小学校の海での驚愕の体験通常


魚の件から話そうと思う。

自分は釣りが好きで学校で禁止して居る場所(断崖絶壁の真下がポイントなのだが)当時、釣竿など持って無く漁村の昆布取りの漁師さんに綿糸に等間隔に横に5本位20㌢位の間隔で綿糸を結んで貰いその先に針を着けて重りは同じく綿糸で石を編んで貰い釣りをした。

慣れるまで大変なのだが最後の針を着けて貰った1㍍位の所の綿糸を素手で持ってマカロニウエスタンでロープで羊等を捕らえるのと同じ要領で円を描く様に廻して沖を狙って投げるのだが、最初の内は手を離すタイミングがなかなか難しく前後左右に飛んで行くので

まともに真っ直ぐに飛ばす迄しばらくかかった。

餌さは山の小川から取って来たドジョウをぶつ切りにしてギッチリと塩をまぶして冷蔵庫で一晩寝かせて作る。

ドジョウだけで無く漁村の漁師さんから貰ったサケやマスでも良いがドジョウと違うのは短冊に切って塩をまぶして冷蔵庫に入れて作る部分が違う。

サケやマスなら高級過ぎて餌さにするより、そのまま食べた方が良いと言う方も居ると思うが子供には関係無い。

そうして投げて30分位、放置して置き、その後綿糸を巻き上げる。此の巻き上げもコツが有って

綿糸を次投げる時に絡ま無い様に円を描く様に巻き上げる。

外道で花咲ガニが何故か1つの針に2はい釣れる。

その他にアブラコ(通常アイナメと言われる魚で仙台で言うネウで有る。正式の名前がウサギアイナメと言うらしいが)誰も人が入って無いので、特大サイズが釣れる。

自分が狙って居たのは全長30㌢位だろうか海カジカで有る。

針を外す時は口がデカくて怖かったが、このカジカを鍋にすると脂が乗って最高に旨い。

そんなある日、何時もの釣り禁止の所で釣りをして居ると自分の近くで昆布取りをして居た谷内さんが(歳を取ると船で昆布漁をするのは難しく)浜辺に打ち上げられた昆布を取る。

突然大きな声で「危ない」と自分に向かって叫んだ。

自分は断崖絶壁の岩の下だったので石でも落ちて来たと思ったが何と牛が自分の1㍍横に落ちて来た。

田舎なので牛は全くの離し飼い状態で柵等は全く張って無く、その為断崖絶壁の上で草を食べて居た牛が落ちて来たのだろう。

自分の上に直撃したら間違い無く即死だったと思う。

自分は後々話すが死にそうに成った事が何度も有る。

別に病気で死んだ牛で無いので自分は直ぐ目の前で牛をさばくのを

見て居た。(口の中は血だらけだった)

牛の皮は硬いらしく本当に苦労して皮をはいて居た。

皮をはぐと粘膜に包まれて居る牛の内臓が全て見えた。

さすがに子供にはグロテスクで耐えられる状況では無かった。

その日の夜、自宅で豪華なスキヤキだったか肉鍋だったか覚えて無いが食卓を飾った。

何気なく母親に何の肉と聞くと今日事故で死んだ牛の肉と言われ解体の場面を見て居た自分は其れ以上食べる事が出来無かった。

親父が校長なので村の人が気を効かせて持って来たのだろう。

自分がその下で釣りをして居たのはばれ無かった。

この釣りには、もうひとつ話しが有る。

ある日友達と魚が一杯釣れる所が有るから一緒に行こうと誘った時の事だが友達は自分より投げ縄釣りが上手いのだが、何故か投げ縄を廻して居る時に見事に針を口唇に引っ掛けたので有る。

そうとう深く針が刺さり病院も近くに無いので、地元の漁師さんを呼んで来たのだが針の返しが鋭く

なかなか取る事が出来無かった事を覚えて居る。

又、そのポイントで丸くて死んで居た到底魚とは思え無い、叩くとコンコンと成る魚と言うか変な生き物が打ち上げられて居た。

後に解ったのだが松島水族館だと思うがマンボーだった。

マンボーには苦い経験が有る。

何故か石巻の近くに有る友達だと思うが自分は無類の酒好きでツマミに関してもうるさかった。

其れで矢本と言う地名の所だが

此酒のツマミに最高だから食べらいと言われ食べたのだが、生臭くて食べられた物で無かった。

其れで何これと聞いた所マンボーの肝和えとの事。

其れ以来口にはして無い。

ついでに自分の嫌いな食べ物を言って置きたいと思う。

汐見で何故かデカイホヤを浜辺で焼いて食べて居て1度口にして駄目。

又、汐見で絞りたての牛乳を飲んで牛乳駄目。

学校給食が乾パンと脱脂粉乳だったが何故か脱脂粉乳は大丈夫で牛乳駄目。

セロリ、春菊、パセリ、駄目。

果物はメロンと西瓜とバナナしか駄目(ちょっとでも酸っぱいと駄目)最悪がパクチーが駄目、

自分は結構好き嫌いが多いみたいだ。

話しは海の話しに戻るが冬に流氷が来ると自分の身丈以上有る水ダコが

上がって来る。

昆布取りの漁師さんは、昆布を根こそぎ打ち上げられてしまうので

村の昆布漁師さんには申し訳無いが自分は水ダコが美味しいのを知って居たので子供にとっては嬉しかった。

馬橇を持って昆布の中に紛れ込んで居る水ダコを探す。

当然水ダコは死んで居るのだが、流氷が冷蔵庫に成って居るので新鮮その物で有る。

とにかく大きいので自分は馬橇に3匹載せたのだが、その後が大変

重たくて馬橇がなかなか引けないのだ。

そんなこんなして居るうちに日が暮れて真っ暗に成ってしまった。

その後、村中の人が自分を探して

結局、見つて貰ったのだが何故か村の人にも親にも怒られ無かった。不思議で有る。

その夜さっそく家で水ダコを食べたのだが、如何せんタコの足1本にしてもデカイ。

刺身にして貰ったタコの足を自分は、さらに8等分に切って貰らい

やっと食べた。

今でもあのタコの味は忘れられ無い。

流氷は、もうひとつ自分達に恵みをくれる。

其れはハタハタの卵で地元ではブリコと呼んだ。

別に食べてガムの様で、そんなに美味しい物では無いが色合いが凄い12色は有る。

ハタハタの丸く固まった卵を海の塩味だけで食べる。

本当に今で言うガム変りだ。

味より自分は色彩の豊かさに驚いた。

北海道のウニは、やはりバフンウニだ。

本州の紫ウニとは自分の感想だが

絶対旨い。

普段は浜辺で拾ってウニを2つに割り塩水で洗って食べるのだが本当に上手い。

希に岸から10㍍位の所で宇宙服と同じかっこうをしたウニ専門の船が来る。

潜水服に顔の部分は丸いガラス窓で酸素を送るホースをを除けば本当にに宇宙服その物だ。

その船が居ればラッキーで(オンちゃんウニ投げてと叫ぶと沢山浜辺に向かって投げてくれる。

やはり船で潜水して取るのでウニの大きさが全然違う。

その投げてくれた大きなウニを拾って半分に割って塩水で洗って食べたなら最高な事は間違い無い。

その他の自分達のおやつは新昆布で有る。

新昆布の両脇に親指を挟んで2つに割ると中心に薄い粘膜が取れる。

おそらく此がトロロの原料だと思うが、その粘膜をそのまま食べる。

此も自分達のおやつで有る。

当然アワビや大ツブ等も簡単に取れたが子供には余り興味のある食べ物で無かった。

小遣い稼ぎで冬の寒い海で布海苔を軍手を履いて波のシブキを浴びながら岩に着いて居る布海苔を手でむしり採るのだが半日やって500円位貰ったと思う。

ほぼ女性のお母さん達が採って居たが採るスピードが早い。

ライバル心は有ったが職業にして居るお母さんにかなう訳が無い。

自分が小さいかごに1杯採る間に

大きいかごに3杯は採って居た。

でも唯一の現金収入なので根性でやって居た。

流氷が来ると汐見ではトッカリと呼んで居たがトドが流氷に乗って来る。

トドも困った動物で海産物を食い荒らすので散弾銃で漁師さんが殺す。

自分もやってみたくて、1度だけ漁師さんに自分の後ろから補助して貰い散弾銃を撃った事がある。

余りの衝撃に自分はビックリして

泣いた様な記憶が有る。

有る日海が銀褐色に染まった何かと思ったら何十年振りにニシンの大群が押し寄せて来たとの事。

ザルでも蝶々網でも何かすくう物が有れば完全にすくえた。

いや、あれだけの大群手塚みでも絶対採れた。なんで銀褐色に成ったのか解らないので、成す術が無かった。

今、思うと非常に残念である。

有る日、宮城県沖位の十勝沖地震が来た。

親父と自分はすかさず外に逃げたのだが、そこからがまずい。

まず長屋の角田教頭先生は自分の子供が無いてるのを慰め椅子に座ったままの状態で、その光景が窓の外からシルエットで見え又母親はルンペンストーブを外に出しながら、しかもお菓子の缶にしまって置いた大切な物(おそらく通帳のたぐい)だと思うが持って外に出て来た所で自分も親父も遭遇した訳で最悪の展開で有った事は言う迄も無い。

自分は子供だから、まだ良いが校長で有る親父は最悪だったに違い無い。

有る日宮城県沖地震と同規模の十勝沖地震が来た。

しかし、宮城県の様にリアス式海岸で無い為何㍍にも津波が盛り上がり押し寄せて来る事は無かった。

只、湖の様に波の高さは無いがスート押し寄せた波が通常の10㍍位は先に押し寄せて来た。

ビックリしたのは自分は学校のグランドの高台から見て居たのだが、何と一旦海の水が一度全て引いてしまったので有る。その海の底の光景はマカロニウエスタンの映画で出て来る地形と良く似て居た。誰がこんな経験と言うか、こんな光景を見る機会が有るだろうか。

しかし何人かの青年団の人が亡くなった。

何故かと言うと海の水が全て引いた為デカイ魚が沢山窪みに成って居る所に取り残されて居る為その魚を青年団の人が津波を軽く判断して取りに行った為何人か亡く成った。又、別の場所でも同じ事して

同じ様に亡く成ったと聴いた。いくらリアス式海岸と異なり高波が押し寄せ無くても

10㍍先まで水が押し寄せて来る、その為発動機で出来る限り上げて居た船すら引き波で持って行かれた。

人間は何故目先の物にとらわれ、飛んでも無い行動に出るのだろう?

初めての経験なので自然の驚異を軽く判断するからに違い無いと思う。

有る日ミンククジラの子供が

砂浜に打ち上げられた。

数日もしない内におそらくそのミンククジラの親だと思うが港に子供を探しに来て弱って居た。

クジラの親子愛には頭が下がる。

自分が62歳(7月迄)金に苦労した事が無く自分の子供2人に現金で車を買って上げた位で後は色々な観光地に連れて行っただけ、後のお金は全部自分と他人の為に使い果たし今は家族とも離れ石巻で孤独な貧困生活をして居る。その件に関しては後に話す。


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