第184話部屋決め

調理場にポットと水筒を置いて取り合えず水回りの問題は無くなった。

 私が流し台に置いたポットと水筒を珍しい物を見る様に皆が見つめていたので、私は簡単に説明することにした。


「こっちのはポットって言ってお湯を出してくれる魔道具みたいなものよ、上のボタンを押すことで突き出してる口の下から熱湯が出て来るわ。

 お湯は火傷するくらい熱いから気を付けてね、こっちの細長いのが水筒よ、これは上のボタンを押して傾けると横の口から水が出て来るわ。

 料理や食器を洗う水や飲み水を一々汲みに行くのめんどくさいだろうから使ってね」


説明を聞き終わった皆はポットのボタンを押して熱湯を出して少し触ろうとしてその熱さに吃驚したり、水筒を傾けて水を出してみたりしていた。

 しばらく皆が確認をし終わるのを眺めていた私はパンと手を叩き。


「じゃあ次は皆の部屋を決めましょ」


私が部屋割りを提案すると皆は嬉しそうに声を上げた。

 そんな皆を連れて2階に上がって大部屋の扉を開けた。

 4段ベットが置かれたそこに入ると皆キョロキョロと部屋を見回し始めた。


「ここは8人は寝られるように二段ベットを入れて有るわ、子供部屋を考えていたけど、個室が良い子はいってね上に6個部屋が有るから」


私が説明すると男の子はこの場に残り自分のベットを決めることになった。


「マリアさんすいません俺もこの部屋で良いですか?一人だけ個室でいるなんてなんか落ち着かなそうで・・・」


ジェフくんがそんなことを言いながら私に尋ねてきたので私は微笑んで頷いた。

 ジェフくんは私の肯定を見てどのベットを使うか話し合うために男の子たちで集まって話し始めた。


「そうだ話が終わったら狩りに行ってるアベル達を迎えに行ってくれる?そろそろ帰って来てもおかしく無いから」


私が男の子たちに声を掛ける。


「は~い、じゃあ迎えに行って来ます。狩って来た獲物の解体は納屋で良いですか?」


代表してジェフくんが聞いて来たので私は頷いて置く、すると男の子達皆で迎えに出かけていった。

 私は男の子達を見送った後、男の子部屋に置いて置いた勝手に掃除してくれるアイツを回収して、隣の部屋に女の子たちを連れて行った。

 部屋の形は隣と同じなので女の子たちは落ち着いて回りを見回していた。

 

「じゃあベットを決めといてね」とだけ言い残して私はラナちゃん達を部屋に置いて、勝手に掃除してくれるアイツを回収すると、キャサリンちゃん家族を連れて3階に上がった。


「マリーダさん3階と4階どっちが良いですか?」


私は希望を聞くためにマリーダさんに聞くと首を傾げて考え込んでしまった。

 そんなマリーダさんを見上げていたサラちゃんが私を見て。


「3かいでいい・・・」


サラちゃんは私を見つめてそう言うので、私は頷き。


「階段の近くの方が良いかな?それとも奥?」


私が聞いてみるとサラちゃんはすぐに「かいだんがわ・・・」とだけ答えた。


私はそんなサラちゃんに頷いて3階の一番手前のドアを開いた。

 ここはまだ掃除がされていなかったので少し埃が積もっていた。

 

「じゃあ此処で良いかな掃除はさっきのゴーレム置いとくからすぐ済むと思うわ、掃除が済んだら家具を入れましょ、それまで好きに過ごしてくれていいですよ」


私がそう言い勝手に掃除してくれるアイツを置こうとしたらマリーダさんが。


「待って自分達の部屋ぐらい自分達で掃除するわ、雑巾とタライ貸してくれる?」


マリーダさんはそう答えると腕まくりをした。

 そんなマリーダさんに私は頷いて、ストレージからタライと雑巾を取り出した。

 それを受け取ったキャサリンちゃん家族は下へ歩いていった。


キャサリンちゃん家族の部屋の決まったから、私は暇になった。

 そうだ食材入れてこないと、それに貯蔵庫掃除してないわね。

 私は貯蔵庫のことに気付いて下に降りていくと、丁度2階の部屋からラナちゃん達が出てきた。

 

「マリアさんどうしたんですか?」


ラナちゃんが私の所まで歩いて来ると私が降りてきたことを質問してきた。

 私はラナちゃんの頭を撫で、微笑んで降りてきた理由を話し始めた。


「あのね、貯蔵庫まだ掃除してなかったなと思って、今から掃除しようと思っていたの」


私が理由を説明するとラナちゃん達は頷き。


「なら私達もお手伝いします!」


ラナちゃんは元気よく手伝いを勝て出てくれた。

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