第176話お引越し
翌日
結局皆住むことになった。
全員で14人が住める家を探さなきゃいけない、14人だと大きな家を買わないといけないわよね。
食堂をやるのも考えなきゃいけないから大きな食堂がある家にしないといけない、取り合えず商業ギルドで聞いてみないといけないわね。
朝から私達は忙しく動いていた。
今日ここを出てかなきゃいけなくなったから、いつもの露店用意はマリーダさんやキャサリンちゃんに任せて子供達は自分の荷物を背負い袋に詰めて貰っている。
「マリアさん終わりました」
逸早くアトムくんが荷物を持って私に近づいて来る、男の子たちも一緒に荷物を持って出てきたので、私は男の子組のコテージに近づき。
「荷物は全部出した?」
私がアトムくんに聞くとアトムくんは後ろを振り返りアントニーくんとチェスターくんを見た。
アトムくんとチェスターくんは頷いて返事をして、自分たちの持っていた背負い袋を下ろした。
男の子たちの出てきたのを確認して、私はコテージの中に入った。
先ずは使っていた家具をストレージに入れていく、机や椅子、二段ベットを入れた所で冷蔵庫を中に入った食材ごとストレージに入れる。
冷蔵庫ってこのコテージから出しても使えるのかしら?
ちょっと疑問に思いながら家具を入れるとコテージから出てコテージもストレージに入れた。
男の子部屋にしていたコテージを片付けている間に、女の子たちも背負い袋を持て外に出てきた。
「そっちも終わった?」
私がラナちゃん達の方を向いて聞く、すると「はい」と返事が返ってきたので女の子部屋の片付けもする。
コテージが無くなると井戸のみが有る空き地になった。
子供達はその空き地を眺めながら茫然としていた。
「皆には思い出のある所かもしれないけど、土地の権利が無いから悔しいけど従うしかないわ」
私は声を掛ける、すると皆少し寂しそうな顔はしていたけど泣いたりはしていなかった。
「大丈夫ですよ、だって家は無くなってしまったけど、わたし達は一緒にいます。
誰も欠けていないんですもの、それにマリアさんがいるんですから大丈夫だって思えます」
ラナちゃんは寂しそうにしていた顔を笑顔にして私に頷いた。
ラナちゃんの言葉を聞いて、子供達は笑顔になり露店の押し始めた。
私達が移動し始めキャサリンちゃんは冒険者ギルドに向かい、私達は露店を引き先ずはパン屋さんに向かった。
「おはようございます、パン貰いに来ました」
私はパン屋さんのドアを開け声を掛ける、すると奥からリナちゃんと奥さんが出て来てくれた。
リナちゃんはエイミーちゃんとサラちゃんに近づき朝の挨拶をしていた。
「あら今日も早いわね、パンなら焼けてるから持ってきな」
奥さんの言葉を聞いて子供たちが奥に入りパンを受け取って持っていく。
「奥さん、実は昨日神殿の人が来て孤児院を立ち退く様に言われてしまいまして、引っ越すことになりました。
まだ引っ越す場所は決まって無いんですけど、決まったら教えますね」
私が事情を離すと奥さんは怒りだし。
「えらい一方的じゃないかい、あの生臭坊主ども金のことしか頭にないんだから」
奥さんは怒ってくれたけど、神殿の土地なのは変わりないから、私達はどうすることもできない。
パン屋さんで今日の分のパンを受け取り、商業ギルドに向かう。
商業ギルドの前に来ると旅商人の子供や御者さん、仕事に行く前の冒険者が既に列を作っていた。
列の人たちは私達が来たことに気付くと声を上げて呼んだり手を振って私達を急かし始めた。
「おーい!待ってたんだ早く頼むよ、これから仕事なんだ!」
私達は顔を見合わせてすぐ準備を始める。
「そうだ露店は今日までで終わることちゃんとお客さんに伝えて、しっかりお店を開くことを伝えてね。
明日からここで待っても買えないことを伝えとかないと待ってくれたお客さんがかわいそうだからね」
私がそれを伝えると皆元気よく返事をしてくれた。
直ぐに用意をしてお客さんを捌き始める、私はある程度列が減るまで手伝ってから商業ギルドに入っていった。
「じゃあ新しい家買いに行ってくるわね」
私はお客さんの対応をしている時に声を掛ける、皆は忙しい中私を送り出してくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます