第169話エイミーちゃんが付いてきちゃった。

私はエイミーちゃんとキャトルーがいることに驚き止まってしまった。

 私の呟きを聞き、アントニーくん達の振り返る、そしてエイミーちゃんがいることで皆驚いた。


「エイミー何勝手に付いて来てるんだよ!マリアねえちゃんが攻撃魔法か防御魔法を覚えるまで狩りには連れてかないって言ってただろ?」


アントニーくんがエイミーちゃんを見つめて注意する。

 アントニーくんの言葉を聞いたエイミーちゃんは頬を膨らませて。


「アントニーばかりずるい、あたしもかりしたいもん!」


エイミーちゃんはアントニーくんに叫び腕に力を入れる。


「うニャー、エイミーぐるじい!」


エイミーちゃんが腕に力を入れたことで、抱いていたキャトルーが締め上げられる。

 そんなキャトルーの叫びも二人には届かず、アントニーくんとエイミーちゃんは睨み合っていた。

 ここまで着いて来ちゃったからしかたないけど、よくバレずに付いて来たわね、私も町中で(探査)は使ってないけど、門を出てからは使ってたのに気づかなかった。


「仕方ないわ、付いて来てしまったんだから一緒に連れていきましょ、エイミーちゃんは今日は『ホーリーライト』と『プロテクション』の練習よせっかく町の外に出たのだからしっかり練習しましょうね」


私がエイミーちゃんの頭を撫でながら今日予定を立てると、エイミーちゃんは私を見上げ「あい!」と元気よく答えた。

 

「マリアねえちゃんがそう言うならいいけどよ、あまり勝手なことするなよ!」


アントニーくんは私とエイミーちゃんを見て愚痴るように言うと森に目を向ける。

 私達は森に入っていきながら辺りを警戒する。

 今日は(探査)で分かっても教えないことにしている。

 そうしないと訓練にならないからね、それにゴブリン相手の時は強化魔法もかけないようにする。

 さすがに訓練でジェフくんやキャサリンちゃんと張り合えるんだもの、ゴブリン程度にやられるとは思えないわ。

 戦い慣れてないから最初は苦戦するかもしれないけど、慣れれば問題ないはず。


歩きながら(探査)していた私は丁度良い相手を見つけたのでエイミーちゃんに声を掛けた。


「エイミーちゃんあそこにホーンラビットがいるわ、あれに『ホーリーライト』を撃ってみるわねしっかり見ていて」


『ホーリーライト』光の礫を詠唱者の前に作り、それを飛ばし対象にぶつける。

ダメージはINT依存、距離はINT÷2メートル。


私の『ホーリーライト』をまともに当てると跡形も無く消滅しそうだったので、ホーンラビットの頭を狙い光の礫を作り出して狙う。

 ホーンラビットの頭の大きさに光の礫を収束させて打ち出す。

 私の放った『ホーリーライト』は高速でホーンラビットの頭に当たり首から上を蒸発させた。


私がホーンラビットを倒す所を見ていた子供達は、皆呆気に取られて口を半開きにしながらホーンラビットの死体を見つめていた。

 

「すっげー神聖魔法でも頭消し飛ばせるぐらい強えーんだな!」


「ビクリしました、あんなに簡単に倒せるなんて、ホーンラビットとはいえ信じられません」


「魔法の収束なんて考えたことも無かった『ウォーターショット』でも出来るかしら?」


「すごいの、あたしもあのまほうつかえるようになる?」


「さすがボクの主人にゃ!」


皆興奮して口々に感想を言ってくる。

 そんな子供達が落ち着くまで待って私はエイミーちゃんに話しかけた。


「エイミーちゃんにはこの魔法を覚えてもらうわ、『ヒール』も大分うまくなってきたから使えるようになるのも直ぐだと思うわよ」


エイミーちゃんは両手を胸の前で握り気合の入った顔で頷く、キャトルーはエイミーちゃんの腕の中から出て隣に立っていた。

 そんなエイミーちゃんを見ているとチェスターくんがホーンラビットを私の所に持って来てくれた。

 

「ありがとう」


私はチェスターくんにお礼を言うとホーンラビットをストレージに入れて(探査)で辺りを確認する。

 するとカーラちゃんが私に近づいてくると声を掛けてきた。


「先ほどの収束ってどうすればいいんですか?コツとかあります?」


カーラちゃんが私の魔法を見て興味を持ったみたい、向上心が有るのはいいことだわ。

 辺りにはホーンラビットの血の匂いに引き寄せられたのか幾つもの反応が感じられる。

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