第141話追加注文

商業ギルドから帰って来て直ぐに、完売したことをラナちゃんに教えて貰った。

 

「じゃあ閉店作業しましょうか、カツサンドの入っていた箱は夕方にでも取りに来ましょ」


私は皆に話しかけ、皆は頷き片付けを始めた。

 ラナちゃんは油の入った鍋に蓋をしてコンロの火を落とし、チェスターくんがお金を袋に入れ、カーラちゃんは使ったまな板や包丁を片付けていた。

 アトムくんとアントニーくんも周りに置いてあった箱や樽を片付け、エイミーちゃんとキャトルーは軽い物を屋台に乗せていた。

 私はクズ野菜を煮ていた鍋とコンロをストレージに入れた。


片付けを済ました私達は孤児院に帰って来た。

 帰って来た私達はお昼ご飯を済ませ、私は直ぐにラナちゃんと一緒にウルフ肉に衣をつける作業を始めた。

 アントニーくんとチェスターくんは、午前中身体を動かしていなかったからか庭で訓練をし始め、アトムくんは何かを作り始めた。

 カーラちゃんは今日稼いだお金を数えていた。

 エイミーちゃんはキャトルーと○×ゲームをやっている。


「マリアお姉ちゃん、カツの数どうします?半日で100個売れちゃいましたし、増やしませんか?」


ラナちゃんの提案に私は少し悩んでから。


「そうね、半日で終わっちゃたから増やそうか?」


ラナちゃんの提案に賛成すると、ラナちゃんは笑顔で頷いた。

 それから私とラナちゃんはカツを作り続け、夕日か傾き部屋の中を赤く照らし始めたころ、そろそろギルドに行かないといけないな~と考えてラナちゃんに声を掛けた。

 

「ラナちゃん、ちょっとギルドに行って箱回収してくるから、留守番よろしくね」


私が声を掛けると皆はそれぞれ返事をしてくれた。


孤児院を出た私は、まず冒険者ギルドに向かう。

 夕暮れの大通りを進む、帰って来た冒険者や他の町から来た商人が通りを行き来していた。

 賑わう大通りを進み冒険者ギルドへ入る、中は帰って来た冒険者が依頼の処理をする為カウンターにたむろしている。

 私はカウンターを見回し、レインさんのいるカウンターに並ぶと、自分の番が来るまで待った。

 夕方のせいか時間が掛かり、私の番に来るまで1時間近くかかった。


「次の方どうぞ・・・ってマリアちゃん、こんばんはどうしたの?」


私を見たレインさんが驚いた顔をして質問してきた。

 

「カツサンドの箱を取りに来ました」


私が要件を言い、それを聞いたレインさんは両手を合わせ「ちょっと待っててね」と声を掛け奥に行ってしまった。

 少し待つとレインさんは箱を持ってカウンターに帰って来た。


「お待たせ、これ返すわね、後明日のカツサンドなんだけど、他の職員も食べたいらしくて注文全部で35個になるけどいい?」


レインさんは躊躇しながら注文を言い、私は笑顔で頷いて。


「明日は倍の数作る予定ですのでお気に為さらずに」と答えた。


私の返事を聞き、レインさんはホッと安心したように微笑み。


「ではよろしくお願いしますね」


レインさんはお辞儀をして見送ってくれた。

 私はレインさんから受け取った箱をストレージに入れ、冒険者ギルドを出る。

 

大通りに出た私は商業ギルドに向かう。

 同じ方向へ向かって荷馬車が後ろから何台も私を追い抜いて行く。

 商業ギルドに近づくと、商業ギルドの車庫にたくさんの荷馬車が止まっていた。

 私はその馬車を眺めながら商業ギルドに入る。

 

ギルド内のカウンターは今まさに商談をする係員と商人が商品の値段を言い合っている所だった。

 

「いらっしゃいませ、マリア様どうされましたか?」


微笑みながら私に話掛けてきた男性係員に、私はカツサンドを入れていた箱を取りに来たことを伝えると、男性係員は「少々お待ちください」とここで待つように言いカウンターの奥へ下がっていった。

 しばらく待つと、男性係員は箱を持ってカウンターから出てきた。

 

「お待たせしました、こちらでございますね」


男性係員から箱を渡され、私は箱をストレージに入れると「ありがとうございます」と礼を言いお辞儀をした。

 

男性係員は「お気に為さらずに、マスターから明日も同じ数お願いしますと言ず手を預かっております」と言われたので、私は頷き了承した。

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