第128話2人にお願い

翌日、木材を買ってきたアトムくんは、直ぐに屋台を作り始めた。

 アントニーくんとチェスターくんも、アトムくんの手伝いをしてくれて、屋台を作っていた。

 たまにアベル達が来て、手伝ってくれているみたい。


屋台が出来る間に、ラナちゃんには肉の下ごしらえや、カツを上げて貰っていた。

 

私は肉を集めるために、冒険者ギルドに来ていた。

 今日はアベルとマーナは、手伝いをしてもらってる。

 私一人で来たのは、ジェフくんとキャサリンちゃんに、仕事を頼むため冒険者ギルドに来た。

 ギルド内に入るといつも通りの賑やかさで、丁度依頼の張り出しを待ってる所だった。

 2人を探して辺りを見回すと、ジェフくんとキャサリンちゃんが一緒にいるのを見つけた、


私が見つけた2人に近づくと、二人も気付いてこちらに近づいてきた。


「おはようございます、どうしたんですか?今日は一人みたいですが?」


キャサリンちゃんが声を掛けてきたので、私は二人に。


「今日は二人に話が在りまして、今大丈夫ですか?」


話を切り出すと、二人はお互いの顔を見合わせて。


「大丈夫ですけど・・・」


ジェフくんが困惑したように言ってきたので、私は空いているテーブルに移動して話すことにした。

 テーブルに移動した私は、二人が座ると要件を切り出した。


「今日は二人に依頼があってきました」


私が言うと二人は笑顔になり。


「どんな依頼ですか?」と訪ねてきた。


ジェフくんの反応に私は頷き。


「依頼は交代でウルフの肉を確保するのと、露店の護衛をお願いしたいの」


私が簡単に依頼内容を言うと、二人は頷いて。


「分かりました、受けますよ」と二つ返事で受けてくれた。


2人が受けてくれたことに安心した私は、まずこの近くのウルフ討伐の依頼を受けるため、掲示板に向かった。

 

掲示板では今まさに依頼の取り合いが繰り広げられていた。

 私はさすがに争奪戦に飛び込むのは遠慮したかったので、少し待つことにした。

 待っていると、少しづつ掲示板の前から人が居なくなってきたので、私は掲示板に近づき、ウルフの依頼を探して剥がすと受付へ並んだ。


受付をしていたレインさんは、カウンターまで来た私を見て。


「今日はアベルくん達とは別行動なんですね、どうされたんですか?」


レインさんの質問に私は微笑んで。


「実は孤児院で露店を出すことになりまして、肉の調達をしようと思いまして、アベル達にはそちらの準備を手伝ってもらっています」


私が理由を言うとレインさんは、両手を合わせて右頬に当てると。


「まあ!出店したら言ってくださいね、是非食べに行かせていただきます」


レインさんは自分のことのように喜んでくれたので、私は試食のためにと、カツサンドをストレージから出して、ハンカチに包むとレインさんに渡した。


「これまだ試作品ですが食べてみてください」


私に手渡されたカツサンドを見て、レインさんは笑顔になってから。


「解りました感想考えておきますね」


笑顔のレインさんに依頼の処理をしてもらい、私達は南の森に向かった。

 門番さんに出市処理をしてもらい、外に出た私達は森に入る前に、私は二人に向き直り話しかけた。


「今回の依頼を受けてくれたお礼に、これを貸して置くわ」


私はそう言うとストレージの中から、オークソルジャーの剣と槍を取り出した。


「二人の武器はこれで大丈夫かしら?」


2人の前に武器を出すと、二人は目を輝かせながらジェフくんは剣を手に取り、キャサリンちゃんは槍を手に取った。

 武器を手に取ったジェフくんは鞘から抜き振り始め、キャサリンちゃんも槍を突く動作をして、感触を確かめていた。


「こんな上等な武器借りちゃっていいんですか?」


ジェフくんが心配そうに聞いてきたので、私は頷き。


「武器が無いと戦えないでしょ」


私が言うとジェフくんは悲しい顔をして、キャサリンちゃんも落ち込んだ様に、下を向いてしまった。

 二人は装備らしい装備を持って無かったので渡したんだけど、余計なお世話だったかしら?

 でも武器がちゃんとしてないと危ないわよね。

 それを言うと防具も貸し出してあげないといけないんだけど、そこまでやっていいのかしら?

 私がそんなことを考えている間に森の入り口に到着していた。

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