第127話材木買い付け

私達が八百屋に向かている時、アトムくん達は木材屋に来ていた。


side アトム


孤児院のコテージを出た俺達は、屋台を作る為、木を買いに木材屋へ向かっていた。

 俺と一緒に来てくれたのはアベルさんとマーナさん、後アントニーが一緒に来てくれた。

 俺達は南門の近くにある木材屋に向かうと、大工の親方らしき人が怒鳴りながら指示を出していた。

 木材屋は幾つもの丸太が積まれていて、倉庫では筋骨隆々な男性達が、丸太をノコギリで汗を流しながら、切っていた。

 そうしてできた板は、店の軒先や壁に所せましと立てかけられていて、壁が見えないほど並べられていた。

 

俺達が店の前でその様子を見ていると、指示を出していた親方がこちらを睨み。


「なんだお前ら!見物なら他所でやんな、怪我したくなけりゃさっさと帰りやがれ!」


親方に俺達を怒鳴りつけながら、近づいてきた。

 俺達は近づいてきた親方にお辞儀をして。


「木材を売って欲しいのですが?」と問いかけた。


俺の質問に親方は一瞬立ち止まってから。


「なんだ客か!なら初めに言いやがれ!」


豪快に笑いながら親方は言うと。


「商談はこっちでするから着いて来い」と声を掛けて先に歩いて行ってしまった。


俺達が親方を追いかけると、倉庫の様な木材屋の中に入っていく。

 親方は掘っ立て小屋のような建物の中に入っていくので、俺達も付いて行った。

 小屋の中には大きなテーブルが有り、左右に合わせて10脚ほど椅子が置かれていた。

 親方は右の真ん中に有る椅子にドカリと座り。


「おう!お前らも座りな!」と声を掛けてきた。


俺達はその言葉に従って、左側の椅子に順に座った。

 俺達が席に付くと親方は目を見開き睨みつけ。


「うで?ここに来たからには木が欲しいんだろ?何が欲しいんだ?」


親方の質問に、俺はここに着くまでに考えていた設計案を話始めた。


「俺達は屋台が作りたいんだけど、屋台にどれだけ木材が必要か解らないんです」


俺が素直に解らないことを聞くと、親方は腕組みをして目をつぶってから。


「なら完成図は書けるか?形と必要な大きさをいやあ大体揃えてやる」


親方の提案を聞き俺は、親方から渡された紙に大体の形を書いていく。

 鍋積むんだから傾いちゃだめだよな?と言う事は4輪にしないといけないよな、パンも大量に積んでおかないといけないから。

 俺は必要な物と積む物を考えながら完成図を書いていった。

 形を書き終わった紙を親方に見せると、親方は目をつむり。


「これの大きさは一般的な屋台と同じでいいんだな?なら角柱15本と木板が18枚あれば足りるだろ、車輪と車軸は隣に木工屋が有るからそこで頼め!」


親方は計算した材料の数を教えてくれた、俺はその数を聞き。


「全部合わせると幾らになりますか」


俺は料金を聞くと親方は頷きながら料金を言ってくれた。


「角柱が1本10ローンで15本だから150ローンだ、木板は1枚50ローンで18枚だから900ローンだな」


料金を教えて貰った俺は拍子抜けしていた。

 マリアさんが金貨なんて渡すもんだから、もっと高いもんだと思ってたけど、案外安いな、これなら俺の今まで貰ってきた依頼料で十分払えるじゃ無いか・・・。

 俺は言われた金額を払うと親方は大きく頷いて。


「リアカー貸してやるからそれに積んで持ってきな!」


親方はそう言うと、小屋から出て行き、近くにいた従業員の男性に声を掛け準備させた。

 俺達はリアカー角材や木板が乗せられるのを待って、隣の木工屋に移動した。

 そこで俺達はリアカー用の車輪4つと車軸2つを買い、他にも必要な釘や車軸を止めるための金具を買うために、雑貨屋に行って買い物をした。

 困ったのは、雑貨屋に行っても車軸を止めるための金具が無くて、色々探し回ってやっと馬車屋で手に入れることができた。

 吃驚したのは車軸を止める金具が、思ったより高かったことだ。

 1つ500ローンは高すぎないかと思ったけど、釘も1つ50ローンに金槌も1つ1300ローンもして高かったから、仕方ないのかもしれない。

 そして、やっと俺達は材料をそろえて、孤児院に帰って来た。

 もちろん材料を下ろした後、リアカーは木材店に返しに行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る