第85話護衛の冒険者
馬車がオークに襲われてたから助けに入ったけど、私が攻撃を止めているタイミングで、攻撃が一行にされない。
防御し終わって、もう1匹のオークの攻撃が冒険者に行きそうになって、そっちを防御に行く段階になって、やっと攻撃してオークに狙われてる。
これじゃいつまでたっても、私にヘイトが集まらないじゃない!
仕方ないので指示を出しますか。
「お二人とも、私が止めている間に攻撃をしてく出さい!」
私が指示を出すと、やっと冒険者達は私が防御して、攻撃が止まったオークに攻撃をし始めた。
だけどあまりにも攻撃が浅すぎて、かすり傷にしかなってないのよね、冒険者達の装備を見ると黄銅色に輝いてる。
と言う事は青銅製の武器?だから切れ味が悪くてダメージらしいダメージ与えられないのかしら?
私が疑問に思っている間も冒険者達は攻撃をしていたけど、結局ダメージらしいダメージ入ったのは腕に切り傷を作って少し怯ましたくらい。
私が粘っている間に、アベル達が馬車の前のオークを倒して私達の方へ来てくれた。
「大丈夫か!」
アベルが叫びながら走り込んできた。
私はオークの攻撃を防ぎつつそちらに意識を向けると、アベルの他にもアトムくんとマーナもこちらに来ていた。
マーナの足元にはキャトルーもいた。
「攻撃お願いします!」
私がアベルに叫ぶと、防御しているオークへアベルが切りかかった。
アベルの攻撃はオークの腕を切り落とし、オークは痛みから叫び声を上げ傷口を押さえて後退った。
私にはもう1匹のオークが攻撃を行っていたが、その合間に傷ついたオークが、後ろからオークの項を双剣で切り裂くアトムくんの姿が目に入った。
項を切り裂かれたオークは、断末魔の叫び声を上げながら、前のめりに倒れて行った。
最後の1匹になったオークは、自分だけになったことを悟ったのか、攻撃するのをやめ後ろを向き、脱兎のごとく逃げ出そうとした、けど背中を見せた所でアベルに背中から刺し貫かれ、アトムくんに項を切り裂かれて絶命した。
私達はオークを倒したので、馬車の護衛をしていた冒険者達に話しかけた。
「大丈夫でしたか?」
私が話しかけると冒険者は少し疲れた顔をして「大丈夫だ」と答えてきた。
私達がオークを片付けようとした所で冒険者のリーダー話しかけてきた。
「そのオークは俺達が貰う!先に戦っていたのは俺達だからな!」
冒険者の言葉に私達は一瞬思考が停止してしまった。
だって倒したのは私達なのに、ほとんど何もしてないのに獲物だけ寄こせって、都合よすぎません?
私が困惑していると、アベルが声を荒げて冒険者に噛みついた。
「討伐された魔物は討伐者の物だろ?それはギルドのルールで決められている!もしそれを破るって言うならギルドに報告するけどいいのか?」
アベルの聞いた冒険者はそれでもあきらめられないのか更に怒気を含んで話しかけてきた。
「だが先に戦っていたのは俺達だ!それを横取りしたのはお前らだろ!」
冒険者の言葉に私は呆れてしまった。
まあ、彼らも収入が増えるかもしれないから、突っかかって来てるのかな?でもいくら何でも倒してないのに、分け前要求するのはどうかと思うのだけれど?
私達がもめていると馬車に乗っていた商人が見兼ねて話しかけてきた。
「旋風の皆さんは私の護衛だったはずですが?先を急いでいるので早くしていただきたいのですが?」
商人の言葉に旋風という冒険者パーティーはまだあきらめられないのか商人を説得しようとし始めた。
「ですがオーク肉なら売れますよ!旦那の馬車に乗せていただけりゃ稼ぎも増えるんじゃないですか?」
旋風のリーダーらしい冒険者が、何とか説得しようと話しかけるけど、商人は興味がないと言う様に一方的に話を打ち切った。
「私の馬車にオークの乗せている暇は有りません、それより早く町に付きたいのです。
これ以上依頼以外の行為をするつもりでしたら、ギルドに報告させていただきます」
商人の強い口調での言葉に、旋風のパーティーメンバー達は渋々護衛の任務に戻るようだった。
私達は商人の馬車を見送り、オークをストレージに入れて回った。
オークをストレージに入れていく中で、一匹だけ表示が違うオークがいた。
オークソルジャーの死体と出た、死体はあの鎧を着ていたオークだった。
私はそのことをアベルに伝えるため、一度オークソルジャーの死体を出し、アベルにみせながら説明した。
「このオークだけ上位種だと思います」
私の言葉にアベルは驚いて死体を見回しながら。
「あまり普通のオークと変わらないんだな、取り合えず依頼報告するときに話してみよう」
それが済んだ後アベルが話しかけてきた。
「これからどうする?オークは倒したから町に帰るか?」
アベルの提案に、私がどうしようか悩んでいると、キャトルーが足元に来て声を上げた。
「できればボクを拾った所まで連れてって欲しいにゃ、家族の無事か心配だにゃ」
キャトルーの訴えに私達は頷いて、森の中に入ることを決めるのだった。
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