第78話回想
私がエイミーちゃんにテディベアを上げた後エイミーちゃんから解放されたキャトルーが私の所に歩いてきた。
「ご主人ありがとにゃ、やっと解放されたにゃ、でもあんなものがあるならもっと早く助けて欲しかったにゃ」
キャトルーの愚痴を聞きながら、私は壊してしまった孤児院の残骸の塵を、ストレージに入れて片付け始めた。
ストレージを見ながら塵をストレージに入れていくと、見慣れないドロップアイテムがストレージに入って来た。
下級悪魔の角
瘴気溜まりから稀に発生する魔物、知性が高く変身能力もあり、人間をだまし堕落した魂を取り込み自らの糧とする。
聖属性以外の攻撃は効きにくく、倒すことが厄介な相手である。
なんでこんなものが孤児院に有るのかしら?ここに本当に悪魔がいたとか?有り得ないわよそんな幸運!どんだけ運良いのよ。
まあいいや、丁度いいから悪魔倒した証拠にしちゃお。
拾い物もしながら、私は孤児院であった物をストレージに入れて片付けていく。
まだ使える物が無いかと思ったけど、結局全部塵で使えるものは一つも無かった。
塵を全部ストレージに入れた私は、ストレージからもう一個コテージを出し、孤児院があった場所に出して置いた。
私は先に出したコテージの中に戻り、皆を呼ぶ事にした。
「皆ちょっと良いですか?」
コテージに入ってラナちゃん達に声を掛けると、皆こちらに注目してくれた。
「もう一棟コテージを立てたので、男子部屋と女子部屋で分けましょう」
私が提案すると皆顔を見合わせて、ラナちゃんがみんなの顔を見てから、私に話掛けてきた。
「それは、よろしいのですか、そんな贅沢・・・」
ラナちゃんがすまなそうにそう言ってきたので、私は笑顔で頷き。
「いいのよ!孤児院壊してしまったお詫びも兼ねているのだから」
私の言葉に皆が頷き、もう一つのコテージを見るために移動し始めた。
真っ先に入ったアントニーくんが落胆したように肩を落とし。
「なんだ、さっきのと同じじゃんか、もっとスゲーの期待してたのによぅ」
アントニーくんの言葉を聞いて私は苦笑してしまった。
確かにイベント限定ホームは色々とあるけど、土地が狭くて出せなかったのよね。
「どっちを男子部屋にしますか?」
私が聞いてみるとアトムくんが外に出てから、また中に入ってきて。
「こちらの方が道に近いですから、こっちを俺達で使います」
アトムくんが立地を見てそう言ってきたので、私は頷いて。
「それじゃあ、お願いするわね」
私はそう言うと、女子部屋に行ってお風呂に入ることにした。
いやね、アレが這い上がって来る感覚がまだ残ってて、早く入りたかったのよ!
女子部屋のユニットバスに入った私は、服を脱いでストレージに入れて、身体を念入りに洗った。
一通り洗い終わった私は、シャワーで身体を流してから湯船につかってゆっくりし始めた。
それにしても今日だけでも色々あったわね、オーク討伐に行ったらワーラントと戦って、オークも討伐して帰りがけにキャトルーを拾ったのよね。
帰ってきたら来たでアトムくんが絡まれてるし、助けて孤児院に来る途中で絡まれて、やっと孤児院に着いたら黒い悪魔に遭遇するとかホントついてないわ~。
私が今日一日のことを考えながらお風呂でリラックスしていた。
お風呂から上がった私は、寝巻用のワンピースに着替えてユニットバスから出ると、ソファーに皆集合していた。
「どうしたんですか?」
私が声を掛けると皆こちらを見てきた。
皆に注目されたので私は驚いて怯んでしまうと、ラナちゃんがこちらに来て。
「マリアさん法衣以外もお似合いですね、かわいいです」
ラナちゃんがそう言うとカーラちゃんとエイミーちゃんも近づいてきて私を誉めてくれた。
その後は私が皆の服の型紙を作る所を、みんなで珍しそうに眺め、カーラちゃんが質問してきた。
「この紙は何ですか?」
「これはね、皆のサイズを測って服を作る前に紙で設計図を作るのよ、いきなり布切って失敗したら勿体無いでしょ?」
私が型紙を作る意味を説明すると、カーラちゃんは何となく納得したような顔をしたので私は作業を続けた。
寸法に合わせて紙を切って型紙を作ていく、型紙作っとくと量産するとき便利なのよね。
大きい子の分から順に型紙を作っていく、今回作ろうと思ってるのはシンプルなシャツとスカート、あとはパンツ作るつもりで作業する。
そうして夜が過ぎていくのだった。
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