第70話従魔登録
食事を食べ終えた私達は、テーブルを立ち上がりギルドの外に出ようとした所で、レインさんに呼び止められた。
「マリアちゃん、そのケットシーペットにするのでしたら、手続きしないと処分しないといけなくなりますよ」
レインさんの言葉に思い出した私は、皆に振り向いてから。
「ごめんなさい、ちょっと待ってもらっていいですか?」
私がそう話すと皆は頷いてくれたので、レインさんの居るカウンターに向かい、魔物をペットとして飼うための説明を受けた。
「まず始めに、魔物の登録には1000ローン掛かります、登録が完了しましたら、魔物ようの首輪をお渡ししますのでそれを付けてください。
もし魔物が人に危害を加えた場合、怪我の具合にも寄りますが、最低10万ローンの罰金が掛かります。
それ以外にも、魔物のフンの処理や鳴き声による騒音被害など、迷惑行為が発覚した場合にも、罰金が掛かりますのでご了承ください。
他にも、珍しい魔物は盗まれたりもする場合がありますから、お気をつけくださいね」
レインさんの説明を聞き終わると、レインさんが差し出した登録用紙に、私の名前とキャトルーの名前と種族を書いて大銅貨1枚と一緒に提出した。
私が提出した登録用紙を黙読したレインさんは笑顔になり。
「では、こちらが登録証になります」
レインさんは話しながら、カウンターのしたから黒い首輪を取り出して、私に差し出した。
私は差し出された首輪を受け取ると。
「ありがとうございます」とお礼を言って離れた。
私はレインさんと離れると、アベル達が待ってる入り口に近づき、アベル達の足元に居るキャトルーの前に膝を付いた。
「キャトルー、町で暮らすためには、首輪を付けとかないといけないから、これを付けて良い?」
私はキャトルーにそう言いながら首輪を見せると、キャトルーは頷き。
「分かったにゃ、仕方ないから付けるにゃ」
踏ん反り返るように胸を張り、了承した。
私はその仕草に頷き、微笑みながらキャトルーの首に首輪をつけた。
「あと、町中では私が抱えて歩くからね」
私がそう言いながら抱え上げると、キャトルーは首を捻りながら聞いてきた。
「なんで、抱えるにゃ?ボクは一人でも歩けるにゃ」
キャトルーの抗議を聞いて、私は少し困った顔をしながら、キャトルーにだけ聞こえる声で。
「キャトルーが一人で歩いてると、攫われちゃうかもしれないの、だから町中では私が抱えるわ」
私の答えにキャトルーは頷いて小さな声で「分かったにゃ」と答えた。
私はキャトルーを抱き上げて、アベル達に頷くとアトムくんが先頭に立って案内された。
日も大分傾いていて、辺りは夕日に照らされていた。
アトムくんは南東に向かって歩き出し、道も入り組んだ人道りが少ない道を進んでいく。
道を進むにつれ、路上で生活している人や、家も廃墟のようなボロボロの家が目立ってきた。
うわぁ、これは不味いかも、私家なんて建てたこと無いわよ、何か無かったかしら。
道案内をしてくれるアトムくんを追いかけながら、ストレージを目で追いかける
ストレージに入っているものは、野営用のコテージやイベントポイントで手に入れた、ギルドハウスとして使える屋敷もあったけど、あからさまに回りの風景に会わないわよね。
明らかにスラム街にハロウィン限定お化け屋敷とか立てたら、目立ちすぎるし、確かランダムで怪現象が発生するってギミックがあったはず。
そんな建物に子供住ませるとかなんの拷問よ、小さい子泣いちゃうわよ!一番良かったクリスマス限定の教会は、メビロのギルドホームの横に立てちゃって無いから、一番無難なのがコテージなのよね、でも使い捨てだったからメビロの時は使い終わると消えてたし・・・あれ?この世界必要なくなっても消えないわよね?お皿もポーション瓶も残ったから、もしかしてコテージも残る?なら消耗アイテムだったから99個持ってるから幾らでも立てられるわね。
私達がアトムくんに案内してもらっていた私たちの前に、下卑た笑いを顔に張り付けた男達が立ちはだかった。
「おう、坊主、今日は偉い別嬪連れてるじゃね~か」
ボロボロの服を着た男達は、私達を囲んでニヤついていた。
アトムくんは男達を睨みつけて、口の端から声を漏らした。
「なんだ、おっさん達、関係ないだろ、さっさとどっか行ってくれよ」
「そんなつれね~こというなよ、その別嬪こっちに寄こしてくれりゃ通してやるよ」
男の言葉を聞いたアベル達は武器に手を掛け腰を落とした。
どうしよう、倒してしまっていいのかな?自営の為だから良いわよね?この手の人って話聞いてくれないんだもん。
私が考えている間にも男達は近づいてきて、後ろにいた私を捕まえようと、羽交い絞めにする為、両手を開いて抱き付こうとしてきたので、私は一瞬で盾を装備して、右手でキャトルーを抱きながら、
抱き着いてきた男を『シールドタックル』で吹き飛ばした。
吹き飛んだ男は壁にぶつかり「グェ!」とカエルのような声を上げて動かなくなった。
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