第52話アベル達の装備
私はストレージを漁り、他に無いか探して見るけど低レベル装備ってなるとあまりお勧めできる装備が無いのよね。
大体がスキルブックを手に入れるために乱獲した敵のドロップアイテムだから、亡霊騎士の全身鎧より弱くなっちゃうのよね。
私はこれなら装備できるかしらと思いながら、幾つか防具を取り出してみた。
一つは襟に毛皮が使われている黒く染められた革鎧、もう一つは特に装飾の無いブレストプレート、二つともドロップ品だ。
盗賊団長の革鎧
HP100 VIT100
盗賊団の頭ババロンの革鎧、夜襲を有利にする為黒く塗装されている。
ゴブリンキングのブレストプレート
HP120 VIT80
ゴブリンキングが装備しているブレストプレート、ゴブリン達は手入れをしないため薄汚れている。
盗賊団長ババロン、こいつのスキルブック統率を手に入れるために何度倒したことか・・・スキルブックにも当たりはずれがあるから、何度周回したか覚えていないぐらい周回したのよ。
おかげでスキルブックもしっかり手に入れたけど何度周回したか、今思い出しても泥率低すぎだったと思う。
ゴブリンキングも同じスキルブック目当てで周回したのよね、キングのスキルブックは眷属強化だったかしら、テイマーの必須スキルって言われるくらい需要が有るのよね。
だから定期的に周回して品切れしないようにしてたのよ。
私が装備を持っていた経緯を思い出していると、アベルが二つの装備を見比べながら。
「付けて見てもいいか?」と聞いてきたので、私は頷いた。
それを見たアベルは嬉しそうに手に取り、回しながら傷や破損個所が無いか、中を覗いたり叩いたりして確認をし始めた。
先に手を取り着始めたのは革鎧の方だった。
「これいいな動きやすいし、カッコいい!」
アベルの着た革鎧は所々鉄で補強されていて、襟元には長い獣毛で覆われていた。
腕を上げたり身体を捻ったりしながら感想を述べて、アベルは少し動いてから脱いで、次はブレストプレートを着て見ていた。
「これも着やすいな、それに鉄の防具って憧れだったんだよな」
アベルは嬉しそうにブレストプレートを着て動いていた。
そんなアベルを、羨ましそうに唇に指を当てながら見ているマーナを見つけた。
アベルにばかり新しい装備を渡してマーナの事を忘れていたわ、何かいい物無かったかしら?
私はマーナのために何か無いかとストレージを漁り始めた。
マーナの武器は弓よね何かいいものあったかしら?強すぎても使えないってアベルが証明してくれたから、古代都市のシリーズより弱い物にしないといけないわよね。
トレントの弓
AGI30 DEX70
木の魔物トレントの枝から作った弓、トレントの木材は腐り難く弾力がある為、弓に加工する事で射撃制度と威力を会えてくれる。
オークアーチャーの弓
STR120 AGI50
オークの力で引くために作られた弓、オークと同等の膂力が無いと引くことは出来ない。
この弓によるダメージはSTRにより増える。
シャドウアサシンの弓
AGI50 DEX50
スキル 影縫の矢 対象の影に矢を当てることにより、120秒間だけ対象の動きを停止させる。
対象は精神抵抗をすることで停止状態を解除される。
一度の使用にMP10消費する。
影の魔物、シャドウアサシンの骨を本体に使い、弦をシャドウアサシンの足の腱を使って作られた弓、シャドウアサシンの素材で作ったため、漆黒の弓に仕上がっている。
トレントやオークアーチャーよりショドウアサシンの弓の方がレアだけど、攻撃力は低いからマーナがうまく使えれば良いのだけれど、ちなみに弓のダメージはDEX準拠ね、オークアーチャーの弓だけSTR準拠だけど。
私が弓を出すとマーナが飛びついてきた。
「すごい!これトレントの弓だよね!?一流の証、上級の冒険者の人しか持ってない憧れの弓だよ~」
マーナがトレントの弓を見ると、飛びついて頬擦りし始めたので。
「色々出してみたの、よかったら試してみて」
私がそう言うとマーナは他の弓に目を向け、渋々手に取っていた。
「グギギギ!カッタい、これ硬くて引けないよ」
マーナはオークの弓を手に取ると弦を引こうとして力んでいた。
「やっぱ引けないですか」
私が呟くとマーナはオークの弓を置き、今度はシャドウアサシンの弓を手に取った。
マーナはシャドウアサシンの弓を手に取ると、同時にフリーズしてしまった。
停止したマーナは今度は顔色を真っ青にして震えだし、金属をすり合わせるような、ギギギという音が聞こえてきそうな雰囲気で私のほうを向いてきた。
「こ、これ、スキルが・・・スキルが付いてるんだけど!」
マーナが叫びながら私に詰め寄ってきて、私は不思議そうな顔をしながら見ているとアベルも近づいてきて。
「本当か?そんなもん、アラトラム級の冒険者か国の宝物庫にしか無いはずじゃないか?」
アベルの質問にマーナは混乱したように首を振り。
「でも、でも!ここに確かにあるもん!」
マーナはシャドウアサシンの弓を掲げながらアベルに叫んだ。
二人の動揺を見ながら私は不思議に思っていた。
だってスキルが付いてるからって、攻撃力はたいしたこと無いのに大げさすぎない?
私が考えているとマーナは落ち込んだような顔になり。
「すごいけど、これは貰えないよね~」
「そうだな、さすがにこれは・・・」
2人が困惑したようにそう言うので、私はため息をして。
「それじゃあ使えないわね」
私は諦めたように呟きながら、マーナが持つシャドウアサシンの弓を受け取ろうと手を差し出したが、マーナはう~と唸りながら手を差し出しているが手を離せないでいた。
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