第48話お買い物

アベルと武器屋に来たけど結局買わなかった。

 武器屋を出て私はアベルに。


「宿に戻ったら私の持ってる装備を貸すわ」


私の言葉を聞いてアベルは困惑気味に。


「いいのか?」と呟く。


アベルの呟きに私は笑顔で。


「身の丈に合わない装備は本人に良くないと思って、出すのためらってたんだけど、あんな装備を買うぐらいなら・・・」


私がためらいながらアベルに話すとアベルは真剣な顔で頷き。


「そう言う事なら、俺はマリアの言う通りにするよ」


私は話を切り替えるために笑顔で。


「では、買い物行きましょう、防具以外にも必要な物はあるでしょ?」


私が提案すると、マーナが両手を上げて賛成してくれた。

 私達は町を移動しながら、次の目的場所である市場に移動した。

 トラットの東にある市場は、かなりの広さに露店が幾つも並んでいた。

 野菜や肉、日用雑貨にお土産品や調度品など色々売っていた。

 露店には販売している人や、買い物に来た奥さんや子供、冒険者のような人もいて、市場は喧騒で包まれていた。


私達は近くの露店に近寄り露店の商品を物色し始めた。

 

「すいません、野菜ください」


私が露店で野菜を売っているおばちゃんに声を掛けると、露店のおばちゃんは笑顔で。


「いらっしゃい!何が欲しいんだい?」


私は露店にある野菜を見ながら、おばちゃんに笑顔で。


「売って困らない量いただけますか?」


私の言葉におばちゃんは驚き「へ?」と呟くだけだった。


そんなおばちゃんに私はもう一度「売って困らない量いただけますか?」と聞くと。


おばちゃんは「は、はい!」と声を上げるとすぐに計算し始めた。


おばちゃんは計算し終えると「全部で50000ローンだよ?ちゃんと払えるんだろうね」


おばちゃん不安がりながら野菜の代金を言ってくるので、私は小銀貨を5枚出し渡した。

 代金を渡した私は露店に有った野菜を大量にストレージに送り込むとアベル達は呆けた顔をして。


「あんな金持ってるなら防具買えたんじゃないか?」


アベルがそう言うので、私は素直に。


「さすがにあそこにあった防具は弱すぎて、お金払ってまで買う気になれなかったのよね」


私がそう言うとアベルはまた呆れ顔になり。


「そりゃマリアの装備に比べれば性能は良くないかもしれないけど・・・」


アベルの文句を聞きながら、私は他に掘り出し物が無いか、辺りの露店をキョロキョロと見回しながら、見ていると。

 アベルは横に首を振り、言い淀んだ。

 私は露店を探しながら香辛料が無いか探してみた。

 でもいくら探しても見当たらない、私は露店を回りながら小麦粉や果物などを買いながら、市場を回っていった。


それにしても香辛料が売ってない、ニンニクぽいクラント、唐辛子みたいなラナラナが見つけることはできたけど、それ以外はまだ見つけれなかった。

 マーナが私が食材を買い漁るのを見て。


「マリア何でそんなに、野菜買ってどうするの?」


マーナの疑問に私は振り返り、マーナを見て。


「私のアイテムボックスに入れて置けば、腐ってしまう心配はありませんから、買える時に買っとこうと思いまして」


私が言いながら今度はお肉屋さんに向かう、そんな私を見ながらマーナは。


「あたしはまた、美味しいごはん食べさせてくれればそれでいいよ」


マーナの呟きに私は笑顔で。


「この食材を料理してみて、美味しい物を作れるように頑張るわ」


私がそう言うとマーナは嬉しそうに「やった!」と声を上げるのだった。


私たちは肉屋に来ると、色々な肉が吊るし売りされていた。

 私に気付いた店主のおじさんは、私を見て大きな声で。


「いらっしゃい!新鮮な肉取り揃えてるよ!何が欲しいんだい?」


威勢のいいおじさんの声に驚きながら私は。


「売って困らない量いただけますか?」


また大量に買うことを言うとおじさんは驚いて。


「おいおい、いくらすると思ってるんだ?」


おじさんの疑問に私は首を傾げながら。


「小金貨ぐらいなら出せますよ」


私の言葉におじさんは目を向き、それから揉み手をしながら。


「でしたら問題ありませんでさー」


「今ある肉ですと、オーク肉が3体分で90000ローン、ラッシュホーンの肉が1体分で100000ローンでさ、他はホーンラビットが5体で5000ローンとウルフの肉が5体分で10000ローンで全部で205000ローンですがよろしいですか?お嬢様?」


肉屋のおじさんは私にそう言ってくるので私は、誰がお嬢様よ!と心で突っ込みを入れながら代金を払って肉をストレージに入れた。

 肉がストレージに入り消えていくのを呆気に取られて見ていたおじさんを後にして私が露店から離れようとすると。


「ありがたっした!」と言うおじさんの威勢のいい声に送られ、私は次の露店へと向かった。


全ての露店を見終わり、でも生姜が見つからなくて困ってしまったが、無いものは仕方ない私達は次の店へ向かうことにした。

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