第47話防具高すぎ!
アベル達が宿を追い出され森の木陰亭に来たよ。
カウンターから帰って来たアベルと合流して、私たちは森の木陰亭から出ることにした。
マーナはぬいぐるみを自分の荷物の入った背負い袋に入れ、私と一緒にアベルと合流した。
「受付はできましたか?」
私はカウンターに居たアベルに聞いて見た。
「ああ、終わったよ」
アベルは笑顔でそう言い頷いた、その言葉に私は頷いて。
「でしたら買い物に行きましょう」
私達は連れ立って森の木陰亭を出た。
町に出るともう町中はかなり賑わっていた。
私達は町を歩きながら武器屋へ向かう。
「武器屋は何処に有るんですか?」
私の質問にアベルは不思議そうな顔をしてから。
「武器屋なら冒険者ギルドの横だよ」
アベルの答えに私はあれ?そんなのあったっけ?と疑問に思った。
私、まだあまり町を歩き回っていないことに、今更気付いた。
アベル達に案内された私は武器屋に向かった。
アベルが立ち止まった建物は本当に冒険者ギルドの横に有った。
扉の上には剣と槌の交差するマークが書かれた看板がぶら下がっていて、一目で武器屋なのだと分かるようになっていた。
アベル達の後ろをついて中に入ると、中には様々な武器が飾られていた。
武器も見やすいように種類ごとに分けられ、壁に掛けられた豪華な剣から、箱に放り込まれた掛けてはいないが少し刃がへこみが出来てしまった剣など
剣だけでも様々な剣が置かれていた。
鎧もピンキリでよれよれのソフトレザーアーマーから装飾の入ったフルプレートまで多岐に亘った。
「いらっしゃいませ」
奥のカウンターから少年の声が聞こえてきたので、そちらに目を向けると、カウンターに10歳ぐらいの、暗めの茶色の髪をした大人しそうな子がいた。
私たちはそちらに会釈をしてから鎧が置いてあるコーナーに向かう。
様々な鎧を見ながら私は近くにあったフルプレートの値段を見てみた。
うわ、八十万ローンって高いわね、一泊1000ローンで泊まれるのに、この値段はさすがに買えないでしょ?私が全額出せば買えると思うけど試しに着させて見ようかしら?
「アベルこれ着て見ない?」
私がフルプレートを指さしながら言うと、アベルは渋い顔をして。
「そんな物着たら動けないよ」
笑いながらアベルは否定した。
まあ私も無理だろうなと思ってたんだけどね、一応聞いて見たいじゃない?そうなると・・・。
私は現実的に装備が出来そうな物を探し始めた。
それでも一番安そうな防具でも30000ローンした。
え、こんなよれよれのソフトレザーでも30000ローンもするの?防具高すぎない?これじゃアベルが渋るのも無理ないわね。
これは私が作ったローブ着せとく方が何倍もマシだけど、見た目が戦士らしくなくなっちゃうのよね。
私が考えながらよれよれのソフトレザーアーマーを手に取るとウィンドが開いてソフトレザーの能力値が頭に浮かんだ。
中古のソフトレザーアーマー
盗賊からの戦利品、使い込まれているためあちこち傷んでいる。
効果 物理防御力10
私はソフトレザーの能力を見て、ため息が出た。
いくら盗賊からの戦利品でも、もうちょっとマシなの着ようよ盗賊さんって思ってしまった。
それにしても、持っただけで装備の能力が見れるのはメビロの時と同じなのね、現実に変わったからそんな便利なことは無くなったと思ってたけど、まだ出来るのね、それとも私が持ってるスキルの中で発動してる物があるのかしら?有り得そうなスキルは鑑定だけど観察眼とかもありそうなのよね。
まあ便利だからいいけど、鑑定って採取アイテムやドロップアイテムに使う物だったから日常生活で使えると思ってなかったのよね。
プレイヤーのステータスなんて見れないし、敵の強さもゲームのシステムがレベルとHPゲージ教えてくれてたから必要なかったから、私が使うときは大体裁縫素材の採取のために使ってたのと採掘に使ってたくらいなのよね。
私が考え事をしてる間にも、アベル達は防具を見ていたが、落ち込んだ様に首を振りこちらに来た。
「やっぱ手持ちじゃ高すぎて買えないよ、もうちょっと金貯めてから考えるよ」
「そうですね、この程度の防具ではあまりよくないですから、買うのは諦めましょう」
アベルがあきらめたようにそういうので、私は高くて性能が悪い装備を買うくらいならもう一層ストレージの中の装備を渡そうと決心した。
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