第36話懸念
時空魔法?ディメンションとか敵にダメージ与えれるし部位欠損の状態異常与えれるから便利な魔法よね。
でもそれと、私がアイテム出し入れすることと、何か関係あるのかしら?疑問に思って首を傾げているとコラさんは。
「すいません違いましたか?てっきり時空魔法のアイテムボックスを使っている物と思っていました」
コラさんの言葉に私は疑問に思ってしまった。
メビロの時はそんな魔法無かったけど、こっちにはそんな便利な魔法が有るのかしら?疑問に思いながらも話に乗っかろうと思い。
「ええ、私は似たスキルを持っているんです」
私がそう答えるとコラさんは納得したように頷き。
「いや、羨ましい、商人には羨ましい限りのスキルですね」
コラさんは本当に羨ましそうに頷き。
「そのスキルが有れば、行商がかなり楽になりますね、どうです?商業ギルド専属になって、荷物の運ぶ仕事をされてはいかがでしょうか?」
コラさんの提案に私は首を横に振った。
コラさんの提案は安定収入が入って来るからうれしいけど、でもそれだと自由に動けなくなっちゃいそうなのよね。
私が首を横に振ったことを見て、コラさんは諦めた様にため息をして。
「そうですか、では、依頼として荷物を運ぶ仕事を出すのは如何ですか?」
「たまになら、いいですよ」
コラさんの提案に、私はたまにならと頷いた。
コラさんは嬉しそうに頷くと、すぐに真剣な顔つきになり。
「マリアさん、彼方は類い稀なる回復魔法の使い手です、それにアイテムボックスまであるとなると・・・あらゆる人から、その力を狙われる可能性が高いです。
マリアさんはソロだと言う事ですし、冒険者達はほっとかないでしょう、冒険者だけならまだいいですが、貴族や国が動くとかなり不味い状況になる可能性があります。
できればいい貴族と繋がりを作ることをおすすめします」
コラさんの提案に私はうんざりしてしまった。
できれば静かに暮らしたいのに、貴族や国に狙われちゃったら逃げる未来しか思いつかない。
私は深いため息を付き「解りました、ご忠告感謝します」と言いお辞儀をした。
その様子を見てコラさんは眉根を下げながらも頷き。
私はいい貴族か~ここの領主は当てにでき無さそうよね。
「この国の王族はどうなんですか?」
「今の王は領土欲はあまりないが、力が手に入ったら分からないからね」
コラさんの話を聞き、私は結局権力者に接触するのは不味いと思った。
それに接触してみないと分からないし、一旦保留するしかないのよね。
この頃この悩みに苛まれているような気もするけど、会ってみてからじゃないと対処できないこともあると思うし、一番はぱっと権力が手に入れば言う事無いんだけどな~。
「ではこれで、失礼しますね」
私が退出の挨拶をすると、コラさんはわざわざ立ち上がりお辞儀をして。
「またいつでもいらしてください、お茶をしに来るだけでも構いませんよ」
コラさんは笑顔でそんなことを言ってきた。
私は会議室から出て1階に降りると、来た時の喧騒が大分落ちついていた。
後2回ぐらいしかケイン硬貨は売れないわね、ポーションはまだあるけどお皿はまだまだある、今後は食器類の販売に力を入れていこっかな。
私の出来る生産スキルは裁縫だから布でも買って服作って売ろうかしら。
でもこっちのファッションの流行とか分からないし、ミスリルキャタピラーみたいな、希少金属糸を作るモンスターどっかにいないかな?
自分で作れるもので、何か売れる物は作れないかと考えながら、私は商業ギルドを後にした。
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