第35話凱旋
昨日はゴブリンキングのいた集落を壊滅させて、捕まってた女性達と一緒にトラットの町に帰って来た。
壊滅の情報を冒険者ギルドと商業ギルドに伝えて、森の木陰亭に帰って来てアイナちゃんにチョコケーキあげて甘やかしてみた。
あれはね、アイナちゃんが落ち込んでいたから、元気づけようと思ってあげたのよ。
それでは朝ご飯を食べるために1階に降りる。
1階に降りるとへインさんが鎧を着たままカウンターの前にいた。
「へインさん、おはようございます。どうしたんですか、こんな時間に」
時間的にもう仕事に出てるはずだけど、どうしたんだろ?私が疑問に思いながら質問すると。
「ああ、マリアちゃんか、俺は今帰って来たんだ」
「そうだったんですか、拠点の方はどうでしたか?」
私が拠点の様子を聞くと、へインさんは苦笑いをして、冒険者達が拠点に帰って来た後のことを話してくれた。
「冒険者達が戻ってきた後な、その場で飲み会になって、かなり遅くまで騒いでたんだ」
へインさんの説明は概ね、昨日私が考えていた通りだったみたい。
「それじゃ、今日1日休みを貰ってるんだ」
へインさんはそう言うと、カウンターの中へ入って行ってしまった。
私はへインさんと別れ、朝ご飯を食べるため食堂へ向かった。
昨日と同じで冒険者達の姿は無く、大体の人が商人の様だった。
「マリアおねえちゃん、ちょうしょくです」
アイナちゃんが朝ご飯の乗ったトレーを持って来てくれたので。
「ありがとう、へインさん返って来たみたいでよかったね」
私の言葉にアイナちゃんは笑顔で「うん!」と大きな声で言い頷いた。
私が朝ご飯を食べていると、外から大きな歓声が響いてきた。
うん?なんだろ?有名人でもこの町に来たのかな?私が疑問に思っているとナタリーさんが来て。
「討伐に行ってた冒険者達が帰って来たみたいよ、今大通りを全員でパレードしてるみたい」
「帰って来たんですね」
これで、冒険者ギルドも普段通りになるわよね。
後は商業ギルドへのカップの納品を続けて行けば、今回の報酬は支払われるはず、本当なら領主が払うはずなのに、まったく貴族の癖に此処の領主は余り信用出来ないみたい、信用と言えば神殿も余り信用出来ないみたい。
もし絡まれたらどうしよう。
神殿なら絡まれても無視すればいいかしら?でも、領主はどうしよう?最悪、町を逃げ出さなきゃいけなくなるわよね。
やだな~アイナちゃんとせっかく仲良くなったし、森の木陰亭も住み慣れて来たのに・・・。
私は朝ご飯を食べ終わり、自分の部屋に戻って商業ギルドへ行く予定、この頃、商業ギルドに毎日通ってるな~。
ローン硬貨も大分手に入ったから、ポーションも売らなくても良いかしら、売らなかったらジャクソンさんに怒られるかな?ケイン硬貨は後2回売ってその後はコラさんと相談だね。
カップは100個売る予定だけど、サンドイッチのお皿とかスープのお皿も売れるのかな?売れればカップの代わりに売れ無いかしら?一応サンドイッチのお皿とスープのお皿も出してみよう。
用意をした私が森の木陰亭から出る、大通りはお祭り騒ぎだった。
帰って来た冒険者達が南門からゆっくいと進んでくる。
冒険者達は堂々と胸を張り、大きく手を振りながら、声援に答えていた。
私は今みつかって冒険者達に詰め寄られるのは不味いと思い、ストレージからフード付きマントを羽織り顔を隠した。
どうせ後で冒険者ギルドに行くんだから、町中で騒ぎになるのは、正直避けたいのよ。
大通りの喧騒を抜けて、商業ギルドに向かう、町中はお祭り騒ぎで町人は皆明るい顔をしていた。
露店も何時もより多いみたいに見える。
噴水前に到着すると、周りは人でごった返していた。
この前みたいに、当たり屋に合わない様に、人とぶつからない様に注意をしながら商業ギルドへ向かった。
商業ギルドに入るとこちらもかなり賑わっていた。
私はカウンターに向かい空いているカウンターを探したが、生憎カウンターが埋まっていたので待っていると、一人の女性職員が近づいて来て。
「マリア様ですね、美術品部門部門長のコラが会議室でお待ちです」
女性職員さんは私にそう言うと2階へ案内し始める。
あれ?私コラさんと面会予定なんて聞いてないけど?疑問に思いながらも、女性職員さんを追いかけると2階会議室に到着した。
中には私を呼んだコラさんが座っていた。
「わざわざ呼び出してすまないね、実はカップの件で、と言うより危険手当の件で来ていただきました。
本来、領主が払うべき討伐に掛かる費用ですが、領主代行が渋っていた件ですがこちらから今回の件で説得致しましてね。
費用の負担を了承させました」
私が席に付いて早々に、コラさんが実に輝かしい笑顔で話してくれた。
うわぁ、実に楽しそうな笑顔ね、どういったOHANASIがされたのか気になるけど深入りは怖い。
「それでですね、費用負担がされますのでカップの買取価格なのですが10000ローンにしようと思います」
「え、いいんですか?」
「ああ、お気遣いなくこの値段で買い取り致しても十分利益は出ますので」
私が少し躊躇すると、すかさずコラさんが説明してくれた。
私は了承のため頷いてからコラさんに。
「でしたら、新しくこちらの買取もお願いしたいのですけど」
私は話しながらサンドイッチのお皿とカボチャスープのお皿を出してコラさんの前に置いた。
コラさんは興味深げにお皿を手に取り、細部まで確認するように見てから。
「こちらをお売りいただけるのでしたら、こちらの浅い皿は10000ローンで深い皿は20000ローンと言った所でしょう」
コラさんの言葉を聞き、私はまあ、ゴミアイテムがその値段で売れるならいいかと思いながら頷いた。
「では買取お願いしますね」と言いながらカップ1個とポーション50本を出しテーブルに置く、コラさんは手に持ったベルを鳴らすと、ドアから職員さんが来てカップやポーションを持って行った。
コラさんは職員さんが出て行くのを見計らって。
「マリアさんは時空魔法まで使えるのですね」
笑顔でそんなことを言い出した。
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